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男の子 女の子

16の夏 午後8時 絡みつく風 不快

16の夏
初めてのアルバイト
ナニカが変わる ナニカが変われる
でも ナニも変わらない日々
私は相変わらずの臆病モノ

午後8時
バイト終了 帰宅
街灯の点在する闇の中を
自転車に乗って走り抜ける

絡みつく風
夏の風はじっとりとしていて
直前まで冷房に当たっていた
冷えた体に粘りつく

不快
コンビニの灯りに群がる人たち
すれ違いざまに 言葉のナイフ
心がズタズタに引き裂かれる

もし 本当に この世に
神様がいらっしゃるとしたら
わたし 思い切り詰ってやりたい

女の子って なんて不自由なの?

わたしは今だって 真っ平らな体で
あの坂を駆け上がって行きたいのに

秘密基地に早く辿り着くために
自転車置き場の塀を攀じ登りたいのに

男の子って なんて残酷なの?

きっとあの人たちは考えもしないんでしょう
わたしたちの心が
絶えず 死と再生を繰り返しているコト

何気なく投げかけられた
ほんの些細な言葉で
人の心は簡単に死んでいくコト
そして
やっとの想いで再生するコト

道を違えていくことで
失くしていくモノばかりが目につく

だから わたし この成長を停めたいと
本気で願い続けていた

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