営業におけるテストクロージングの有効性
一言でいうと
ミスリード(誤誘導)されても人は気づきにくい
活用シーン
セールス
内容
マサチューセッツ州ウィリアム・カレッジのステファン・リンゼイによる研究。
136名の大学生に79枚のスライドを見せながら、ある物語を聞かせました。
内容は
「修理工の男性が、お金と電卓をオフィスから盗み出す」
という一連の物語です。
それから48時間後、記憶のテストを行いました。
その際、リンゼイはあらかじめ「ミスリーディング(誤誘導)」というテクニックを使うという事を伝えておきました。「質問には、誤った前提のものが含まれていることがありますからね」と注意しておいたのです。
そのうえで、
「秘書は傘を持っていましたが、その傘は何色でしたでしょうか?」といった質問をしました。
しかし実際の物語では、秘書は傘などもっていませんでした。にもかかわらず、「持っている」こと前提であるかのようにミスリードしてみました。
結果、多くの人が、持っているはずのない傘の色をこたえました。
人も自分も操れる! 暗示大全
内藤 誼人 (著)
同様の実験で、以前「バッグス・バニー」のお話をご紹介しました。
以下の記事です。
不思議なもので、今回のケースも「秘書は傘を持ってましたか?」と聞くと、きっとけっこうな割合で「持っていなかった」という人が出てくるのでしょう。しかし、傘を持っていた前提で傘の色を聞くと、「傘を持っていたことは事実である」という認識になり、その色を思いだし始めます。
というより、記憶を作り始めるわけです。
これをうまく利用したのが、営業におけるテストクロージングです。
たとえば、住宅を販売するなら、
「仮にこのお家を買われたとしたら、この部屋はどんな風に使われますか?」
「もし、ここに引っ越すことになったら、どんな冷蔵庫をどこに置きましょうか?」
なんていう話を持ち出し、家を手にしたときのイメージを相手に植え付けるわけです。
次第に、それを持っていない自分に違和感を感じ始めるという手法ですね。
そして人間は一度決めてしまったことを変えることをするのは難しい、というのは過去の記事でもご紹介しました。つまり、決断が正しい理由を数え上げ始めるのです。要は自分で自分を説得し始めるんですね。
あー、怖い怖い(笑)
とはいえ、こういう特性はたとえばマネージャーがメンバーを行動に駆り立てたいときなんかにも使うことはできるでしょう。高圧的に強制するだけのマネージャーは、こういった心理学を学んでおいたほうがいいかもしれません。高圧強制を続けていれば、部下にメンタルヘルス不全を抱える人が増え、結局ご自身の管理職としての評価を下げることになってしまいますよ。
圧力をかけるのは誰でもできる。学んで自ら動くよう仕向けるのは難しいから、管理職は給与が高いのではないでしょうか。
私はこんな本書いてる人です(^^)/
友人のNLPトレーナーがこんな無料セミナーを開催します。
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