見出し画像

「光る君へ」46話-刀伊の入寇-によせて



藤原隆家かっこよかった by筆ペン

ネタバレが満載なので第46話「刀伊の入寇」を未見の方は
見てからにしてね💕

前回の「はばたき」での感想で
自分は式部はもうこの世の人でないから
自由に物語を紡いでフィクションまひろの冒険として
楽しめばいいのではと書いた

その通り
越後で出会ったフィクション周明との再会も
もうロマンティック再会ラブシーンに見えて仕方ない
20年たった元カレはそれなりに落ち着いていた
そしてまひろも20年たち落ち着いた女性になっていた

さあさあ恋の火花が散るか
熟年の逢瀬が見られるか!??と
「大河」という枠を超えて思いっきりラブラブ展開になれよーと
鼻息荒く見守っていたが・・・???
「源氏物語」作者の華麗なる恋愛遍歴パラレルワールド~💕
(お前 よっぽど色恋好きだな←)

現実にあった鴻臚館の政庁の姿を写しつつ
さもや本当にいたかのように写すのが大好き

物語を紡いだまひろに「そんな齢には見えぬ」
と伝える周明は天性のプレイボーイ
本当に妻いないのか??(好いたおなごの一人や二人いただろー)

そしてまたまた「フィクション」の双寿丸と出会う

そこに「現実」の藤原隆家に出会う
それも「道長から丁重にもてなせ」と命をうけて
まひろが道長に大事にされている感あるねえ

そしてお茶がまだこの時代「薬」であったことがうかがえる描写
苦そう;;;(抹茶が主流だったようです)
ビタミンC豊富だからきっと万病に効くわな

隆家が地元にとけこみ、宮中にいた頃より生き生きとして
たくましいのがとても素敵な描写
頼もしくて明るい
踊るところも楽しそう
謡いの歌詞が日本書紀なのがニクイ

道長(太閤)の具合が悪そうとの知らせに表情がかわるまひろを
見逃さない周明
月の明かりの下で源氏の物語を説明するまひろ
「光る君」が主人公の物語
それは意外に大きく人のこころを動かし
宮中の后の力関係にも影響した

そして同じ月を見上げる出家した道長の描写
演出がいいねえ
実際出家してから体調がよくなったそうだ

「友が亡くなった松浦に行きたい」というまひろに
観光案内しながら同行する周明
付き従う乙丸がお土産の紅を求める姿がかわいい
紅を差してきれいになった妻が他の男を引き付けるのが嫌
と言っていたのに堂々と紅を買う乙丸が安定の幸せ感満載ね

しかしその裏で不穏な知らせ
壱岐から命からがら逃げた僧常覚が
異民族の侵入と島民の虐殺を知らせる
深刻な状況に隆家も動き出す

「現実」の世界の「刀伊の入寇」が語られる

沿岸では不穏な輩が侵入する
隆家が行進する姿がかっこいい
先導する従者が兜をかぶって「持参」する
そうか烏帽子姿に甲冑なのはそういうわけか

鏑矢の音におどろくのが「異民族」を表現する
壮絶な闘いの描写
マジこんなん来たら逃げ惑うわ
平安時代って平和ボケした方々で軍事はさっぱりと思っていたが
以外に戦闘能力高かったのね
甲冑も色々なのが面白いね
激しい戦いの末にかろうじて侵入を食い止めた姿があっぱれ

西の国の「最前線」ではこんなに不穏なのに
都では優美に「物語」を吟味する倫子様たち

道長よりも余りにも遠い御代から話を始める衛門に
倫子様が「殿の生まれた村上天皇の御代から・・・」
と言いかけたところ

本当はもっと古い大化の時代から始めたいが
自分の命が続くかどうかわかりません
歴史は後の世に残ります
仮名で書かれた歴史書はありません

衛門さん
めちゃくちゃ鼻息荒い
後の世に名を残したいのかな

—清少納言は仮名のきらきらエッセイ
—藤式部は仮名のあわれの物語
—ならば私は仮名の歴史書を残そうぞ

滔々と
持論を展開する赤染衛門の姿を見て

「もう 衛門の好きにしてよいわ」

投げやりにみえる倫子様

—この人に何を言っても無駄ね
—まっ 殿の栄華が最後の華になるならよいわ
—すこーしも痛くないわ♬

流石太閤の御台様
余裕ね

まだ敵の姿が見えない松浦ですごす周明とまひろ
昔語りの中にまひろが本音をもらす

—私には何もないの
—都には私の居場所もない
—私には物語を書く気力がない
—終わってしまったのにそれが認められないの

これは燃え尽き症候群なのだろうか
周囲の期待につぶされそうな姿なのだろうか

以下妄想
「作家藤式部先生の逃亡」

 代表作を執筆し終えた式部先生
 その出来栄えに各出版社(局)より依頼殺到
 みな「源氏物語」のような華やかな物語を望んでいる
 先生、書いてください!
 先生!先生!稿料はずみますよ!
 続編もぜひお書きください
 スピンオフもいかがですか??
 いくらでも紙と墨、提供いたします!
 あの道長編集長のお墨付きじゃないですかああ
 きゃあ あの式部先生よっっ
 サイン下さあああい
 和歌を一首詠んでくださいッ
 せんせーーー

とうとう押しかける人々の目を逃れ
カンヅメにされた館を抜け出し、旅に出るまひろ先生

まるで現役時代の手塚治虫先生のよう(爆)
(よく映画を見に「逃亡」したらしい)

妄想終わり

でも私はもう力尽きた
休ませて頂戴
いえ、もう書かない 書けないのよ
みんなわかってくれない
—あのまま道長様の傍にいたら
—苦しいのに魂の中まで搾り取られて
—抜け殻になって妻と笑ってる愛しい人を
—眺めていなければならないのよ
—そんなのいやよ
—抜け殻作家になりたくないわ

マジもう死んでるよ 紫式部
作家としての式部はもういない

一人の女まひろになった時何が残るか

道長にも言えなかった「作家(クリエイター)」の本音を
聞いた周明は優しく受け止め こう返す

—オレの事を書くのはどうだ

—日本の孤児であったが宋に渡って
—宋人として生きた自分
—通詞をして 医師の腕も磨き・・・

ああ、こういうのお話として楽しいかも
読みたいわ、自分

周明やさしい さらに提案

—これまでやってきたことを書き残すのはどうだ
—親きょうだいのこととか
—書いていればそのうち色々うかぶだろう
—紙と墨があれば
—都でなくても

紫式部日記の爆誕!

書くことしかできないまひろに
何でもいいから書き続けることで乗り越えることを知らせる

この悩みは作品を作る人全体に言えるのではないだろうか
まひろの頭の中ではかつて「源氏物語」が「降って」きたように
何かが見えている気がする

周明いい人だ
さりげなく励ますいい人だ
苦労してきたから言えるんだろね

イマジナリーな人に言わせることによって
「本当の気持ち」が見えてくる不思議

そこに襲い掛かる刀伊たち
というかもう海賊の輩たち
人が切られ攫われ弓が飛び交う
まひろもいい着物着てるから狙われちゃう

そこに現る若者双寿丸
さっそうと賊を切り倒し突いて薙ぎ払う
かっけーーー
双寿丸が次のまひろのヒーローになるか??

周明がまひろに手を伸ばした矢先・・・!
非情の弓が周明を貫く!!
まひろの目の前で!!

周明いいい~!!!!
そんなひどいーーーー

なんてとこで終わるんだーーーっ

きっと宋の名医の腕で一命をとりとめているよねええええ(悲願)

ここにいる
大宰府訪問のまひろは多分イマジナリー式部
双寿丸も架空の人物
周明も創作の人

「刀伊の入寇」という歴史的事実に
架空の人々が織りなすリアルな人間模様

「歴史」に翻弄される人々を描く
これが「大河ドラマ」の真骨頂

戦国時代以外の平和な時代描いて何が楽しいんじゃ!
と斜めに構えて見ていた自分は
「源氏物語」再現ならいいかと思ったが期待がはずれ
(ところどころ匂わせシーンや豪華衣装で半分満足)
しかし宮中の后や帝をめぐる人間関係にはらはらし
物語の持つ人を動かす力の裏の権謀術数に驚き
そして都から遠く離れた太宰府を襲う危機に
巻き込まれた主人公たちの気持ちについ感情移入する

ああ 血圧上がってもいい(笑)
「虚」の中の「真実」を探したい(「八犬伝」か!)

次回も楽しみ♪
(もうすぐ終わっちゃうよう)

いいなと思ったら応援しよう!