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恍惚と不安、ふたつ我にあり(あるいは京都みなみ会館の現状について)


我が最愛の映画館・京都みなみ会館についてはこちらから。


ちょっと前に「ついに解体が始まった」という噂をネットで耳にして、暗澹たる思いに。
かなりの逡巡を経て、「やはり見ておかないと後でもっとぐじぐじする」と重い腰をあげ、久しぶりに自転車で向かいました。

自分にとって、この辺りに自転車で来る=京都みなみ会館で映画を観る、だった為、ただ道を走っているだけでどんどん悲しくなっていく。メンタルよわよわ。
遠目から工事塀を確認して、「ああ、ネットで写真見かけてて良かった」と思いました。何も知らずにいきなりコレ見たら、心臓が即座にぐちゃっとつぶれる自信があった。


まずは通りの反対側から撮ります。

斜め方向から
中も解体中。暑くて大変でしょうなあ……
こんなに綺麗なのになぁ……
旧みなみ会館の緞帳が飾られていたウインドウも今は空っぽ(ありし日の姿は冒頭の記事から新みなみ会館閉館についての記事に飛ぶと見られます)


道を渡って近距離からも。

無情に白き工事塀


東にまわっていつもの入り口側から。


ああ、悲しいなあ…………ん?

ん??

あれ?????



えっ?

えっえっ??



……えッッッ!???????




改 修 ! ?


急ぎ帰宅して辞書をひきました。
自宅の新明解国語辞典にいわく、

かいしゅう【改修】
手入れをして、より効率的なものに・(いたんだ所を元通りに)作り直すこと。「―工事」


作り直すこと……!?


これは……期待していいのか? いいんですか!? いいんですよね!????

だって完全解体して別のもの、例えばホテルとかアパートとか駐車場とかを建造しちゃうなら、それはもはや「改修」とは呼べませんよね? そうですよね日本語識者の皆様方!??


今日この看板を見かけてから、もうすごい浮き足だっています。見た瞬間は、自転車その場に放り出して39度の京都市内を全力で駆け抜けてしまうかと思いました。どうにか思いとどまりました。

「今後一体どうなるのか」を思わず中にいた職人さんに問い詰めそうになりましたが、今おられるのは解体専門の方々であろうからして、壊した後のことなんか知ったことではないと思い何とか踏みとどまりました。まだかろうじてヒトの理性が残っていた。ふう。

しかし、そうか、「改修」か……そうだなあ、自分としては、人件費抑制の為に旧館並みのサイズのスクリーン1つだけにして、低層階にお金稼ぎの為に飲食や物販などの店舗を入れ、上に貸しオフィスか賃貸アパート、何ならホテルを入れてくれてもいい。スクリーンが残るなら。どんなかたちでもいいからこの場所に「京都みなみ会館」と名づいたスクリーンが存在してくれるなら。それだけでいい。


……まああまり期待ばかりが先走って、結果が全く違ったものになったら、こうして喜んでしまっただけに閉館時を上回る悲しみとなる可能性が大なので、まだかすかに残る理性で「夢だけどね」と自分に言い聞かせています。
夢だよ、わたし!
夢!!
ドリーム!!!





……でも、夢はかなう為にある、とも言うよね……??

どうか帰ってきて、わたしのみなみ会館……!
待て、しかして希望せよ!
 
 
 
 





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