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今はもう消えてしまった京都の本屋のはなし・3


もはや本来の販促活動を置き去りにして、また消えてしまった京都の本屋さんについて(トップ写真は河合季信氏のものを使わせていただいております。多謝)。
昨日の「2」の記事にて(下のマガジン内ご参照ください)、京都駅前は近鉄百貨店にあった旭屋書店のことを書きました。


旭屋と並び、駅前書店でもうひとつお気に入りだったのがこちら、ふたば書房。
京都タワーのタワービル3階に入っていたんです。

京都住民らしくタワーに登ったことはないのですが、この本屋には本当によく行った。
普通に本屋さんに行く、という意味でも行きましたが、同じフロアに歯医者がありまして。そこに結構長いこと通っていたので行き帰りには当然本屋を通過する訳で、つい何がしか買ってしまう。罠だ。

歯医者さんは今もあるけど本屋は2012年に閉店。
治療に通っていた当時、大変に助手の方々にアタリがキツかったのが見ていてしのびなく、今は別の歯科に変えたので、本屋の跡地が今どうなっているのかは不明です。
歯医者さん、もうかなりのお年である筈だし、丸くなられておられると良いのですが……。


今は京都タワービル、タワーサンドとかいう謎の名称になって大変におシャレパワーを増したテナント群になっているのですが、当時は全然違ってた。
一番上が京都タワー、場所は京都駅のど真ん前、とくればもっと如何様にもやり方があるだろうと思うのですが、いわゆる「土産物店」は1階のみ。
それもいかにもありがちな、修学旅行生あたりを狙った、木刀とか微妙ないじりロゴ入りTシャツとか、そっち系の土産物が充実しておりました。

せっかく駅と直結している地下道から入れる地下1階は手芸屋さん(だが品揃えは大変良く地元民からは重宝されていた)、2階はダイソー、そして3階が歯医者と本屋。
何せ建物が古かったので仕方がないけど、天井は低く、照明は微妙に暗かった。特にダイソーのやさぐれ感は独特のものがありました。
もう、観光ムードポイントはゼロですよ。

その上、下から本屋フロアに上がるのは微妙に面倒だった。
実のところもう記憶が曖昧なのですが、エスカレーターがあるフロアと無いフロアがあったのですよね。確かB1⇄1Fが無く、3F→2Fも無かった筈だ。何とも微妙な不便具合。


品揃えは、雑誌が充実していたこと以外はいわゆる「小さな町の本屋さん」風。
それが昨日の記事の通り旭屋書店が閉店したのに乗っかってか、その頃に全面リニューアルを行って、店内も置かれた本もぐっとハイソな雰囲気になりました。
これが何とも好きでよく行きました。本棚がぐっと濃い茶色の木製で、重厚感があって良かった。

もともと多少の文具や雑貨があったのですが、だんだんとその面積が増え始め、本のスペースも侵食しだしてちょっとあやしい雰囲気が漂い出し。
確固とした根拠はないんですが、どうも「本以外のブツのスペースがやたら増え出す」とその本屋は危ういな、と予感されます。
ふたばは八条側のみやこみちにも店舗があって、そこも微妙に文具具合が増えてドキドキしています。このまま続いてほしいものですが。


2010年に近鉄百貨店跡地にヨドバシカメラ京都店がオープンし、その際に大垣書店が入ってしまったのも京都タワーふたばの斜陽化に拍車をかけたように思う。弱肉強食です。
たいそう申し訳ないことに、なくなることを知らなくて、ある日ふと気づいたら閉店してました。ショックでしたが、行かなかった自分が悪い。

とは言え世に本屋は山とあるので、そのすべてに満遍なくお金を使うのは難しい。
そして昨今の経済活動自粛の中、このような試みがなされております。
ぜひご一読ください。


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