京都三大古本まつり・春の巻
京都のなくなってしまった本屋のはなしも一段落ついたので、今日は大好きな京都の本イベントのはなしをしようと思います。
それはこれ、京都古本まつり!
京都古書研究会さんが主催する、京の三大古本まつりです。
三大、と言うからには年に三回。
春・夏・秋です。
冬はない。何故だか(※)。
「春の古書大即売会」は、毎年ゴールデンウイークに。
「下鴨納涼古本まつり」が夏で、大体8月のお盆の頃です。
「秋の古本まつり」は10月末〜文化の日あたり。
春は今年で38回、夏は33回、秋は44回目の開催となる、大変歴史のある古本フェスティバルです。
……いや、なる筈だった、というのが正確なのですが。
春の即売会は、残念ながら中止になってしまいました。
無念です。
今のところ、夏は開催する予定だそうです。
8月11〜16日を予定しています。
秋は10月30日〜11月3日だそうです。
(※規模は小さめですが近年2月にもプチ古書市やってます)
春の古書大即売会。
これは毎年、みやこめっせで行われます。
みやこめっせはもともと1937年に建てられた京都市立勧業館という建物が、91年より建て替えられて96年に開館したもの。
この、建て替えの間の数年間、古本まつりは金戒光明寺で開かれていました。
別名、「くろ谷(だに)さんの古本まつり」。
これが何とも、楽しかったなぁ。
くろ谷さんは、とっても大きな堂々としたお寺で境内が非常に広いのです。
皆大好き、五劫思惟阿弥陀如来もおわします(トップ画像右側参照)。
境内へは大通りから階段を上がっていくので、ちょっと高くて、見晴らしもいい。
空が大変広くせいせいとした青さで見える、その下にたくさんの古本屋の白いテントが軒を連ねて、もうワクワクいそいそとした気持ちにかられたものです。ああ、今からこの店、端から端までぜーんぶ見てやるぞ。
みやこめっせが開館し、そちらでの開催になった時は実のところちょっとがっかりしました。
くろ谷さんでの開催があまりに気持ちが良くて。
……が、6年後くらいに花粉症を発症し、「ビバ屋内」という心持ちになる。現金です。
手荷物預けコーナーに手荷物預けて、スーパーの買い物カゴと財布だけを持って、目を爛々と光らせて会場をめぐります。
雨の心配がなくて済むのも屋内の長所。この為、心なしか夏・秋の会場よりも浮世絵とかの美術系が多いように感じます。
レジが一箇所に集まっているのも楽ちん。複数店から買った本を、まとめて精算が可能です。この為、お店さん側としてはちょっとお嫌かもしれませんが、「とりあえずカゴにキープ」が可能。「他をひと通り見てからまた来よう」で「無い……!(落涙)」が防げるのが有り難い。
今は確か、クレジットカードも使えます。たくさん買ったら、配送もしてもらえます。
(※後記:2022年開催の春の古書大即売会では、コロナ対策の為、集中レジではなく各店舗ごとの会計になっております。ご注意ください)
5月は夏暑く冬寒い京の地でも比較的快適な、晴天の多い気持ちの良い季節。
来年の開催、ぜひお越しください。
楽しく本を見られた後の休憩にお薦めするのは、こちらです。
ラ・ヴァチュール
ユリおばあちゃんのとびきり美味しいタルトタタンを今はお孫さんが継いでいます。
指定席にすぽっとはまり込むように座ってにこにこしていたおばあちゃんの姿が懐かしい。
名物タルトタタンも素晴らしいですが、クルミのタルトが隠れた美味。タルト生地にねちねちとしたキャラメルと香ばしいクルミがつつまれています。エンガディナー的な。
こちら常温で持ち歩きできるし多少の日持ちもするので、もしお店で食べる胃袋に余裕がなければお持ち帰りを絶対的にオススメします。
六盛茶庭
昔はスフレ屋として独立していたんですが、今は六盛の中に入ってしまいました。
この為、営業時間が14時〜でちょっと使い辛かったんですが、コロナ関係なのか、6月から11時半〜15時になっているようです。おそらく今後も変更あるかと思いますので、都度ご確認の程。
わたしが最愛なのはハニー&ココナツなんですが、どうも今はメニューに無いようです(涙)。
でも昔より格段にフレーバーが増えていますね。次に行くのが楽しみです。
ぶわぶわにふくらんだスフレは一瞬が勝負なので稲妻のように食べてください。
祇園饅頭工場
ここ6、7年程で急に人が増えて驚いた。観光客なんて誰ひとり通らない、地元民の普段づかいのおまん屋さんであったのに。
昔はほんとに、工場の裏口からちょっと声かけて売ってもらう、といった風情のお店でした。
東山三条辺りから岡崎に向かう際には、この道へ曲がって疎水沿いを歩いてオ・タン・ペルデュ(ババが美味・とてもオシャレなお店なのにサイトのつくりが超昭和感漂うところがポイント高し ※2021年3月惜しくも閉店)の横に抜けるコースが人も少なく眺めも楽しく鴨も可愛く気持ちが良いのですが、このルートもすっかり知られてしまいました。
この店は何と言っても「志ん古」です。「しんこ」と読みます。米粉を使ったむちむちとした食感のお菓子です。
しろ・抹茶・ニッキとあって、わたしはしろが一番好き。
隣のお店、三味洪庵のお蕎麦も美味しいよ。
春の古本まつりは、また来年。
これがあってこその「ゴールデン」ウイークです。
チェーンの大手ではない、個人の古書店が多い街というのは懐の深さを感じます。街全体に余裕がある。
だから、一店でも多く生き続けてほしい。
そういう試みを応援しています。
こちら、ぜひご一読ください。