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微睡み


以前、友人と昼間からお酒を飲んでいる時
「気分が良くて眠くなってきた」と伝えると、こんな話をしてくれた。



「意外に思うかもしれないけど、能という演劇は眠気の心地よさを楽しむ、という意図もあった」とのこと。


能で眠くなるのには理由があって、能楽は一定のリズムを刻む。他の音楽のように、メロディが激しく変わるようなことはなく、曲が早くても遅くてもリズムは八拍子で進む。
それは心音のリズムから来ていると言われいる。
どんなに速い曲でも、等間隔にリズムが刻まれているとリラックスする。
だから能を観て眠くなるのは自然なのだ。



昔の人たちは、微睡ながら鑑賞するのを好んでいた、その眠さも込みで楽しんでいた、という文献も残っているのだとか。



それを聞いて、なんと風情な…なんと柔軟な…
と感じた。


私も眠気を楽しむ心の余白を保ちたいものだなあ、と。そう思ったのだった。


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