仏教心理入門 第4回「誰でも持つたから」
仏教心理入門ではみなさんと仏教の教えを共有し、じぶんの心に寄り添うヒントをお届けします。さっそく今日のテーマですが、「誰でも持つ宝」わたしたちの「身体」について仏教の視点から考えていきましょう。
音声で聴きたい方はこちらへどうぞ↓
じぶんの身体の機能を自慢したことはありますか?
昔の言葉でこんな言葉があります。
「頭は考えて分別し、胸は感情を披瀝(ひれき=包み隠さず打ち明ける))する。腹は蔵めて貯え、手足は動いて実地に当ってみる。
頭でいけなければ胸で、 胸でいけなければ腹で、 腹でいけなければ手足で、 そして全体として、完全な 協同作業(チームワーク)が取れている。」
私たちが唯一生涯持ち続ける財産である身体には、これだけの機能が備わっているんですよね。
今の世の中、どんどん発展して進歩していっても、生物の身体ほど多くの機能を一度に備えているものっていまだに登場していないんですよね。
よくよく考えると、生物の身体って、本当にすごいし神秘的だし不思議がいっぱいですよね。
でも日頃から、私の体にはこんなに機能がある!と自覚したり自慢したりしながらじぶんの体をフルに使いこなそうとしてる人って、あんまりいないというか、自分も含めて私は出会ったことがないです。
「お金があります」「裕福です」「学歴すごいです」「いい会社で勤めてます」
そんな自慢をする人はたくさんいるんですけどね。
体自慢っていうと、姿かたち、容姿を自慢されることはありますが、
機能そのものを自慢される方って、いないですよね。
たぶん自慢しないのって、当たり前だと思ってるからだと思うんです。
みんなおんなじ機能を持ってるし、自慢できることは他の人と比べて優れていなくちゃいけないって、みんな思ってるからでしょうね。
でも、当たり前ほど、時々、考えたり感じてみたりするのって大事だと思うので、今回、体について取り上げてみることにしました。
このじぶんの身体機能を自慢できるほどに意識していくとどんな変化が起こるのでしょうね。
私たちの身体は「宝塔」である。
仏教の教えによれば、私たちの身体はまさに一つの宝塔となっているそうです。
宝の塔と書くんですが、仏塔のこと、中でも美しさを讃えて呼ぶ呼び方が「宝塔」です。
人間の体は「宝塔」である、これを知ることで、私たちは心と身体の一致を大切にし、真理や智慧を引き出していくことができるのです。
法華経見宝塔品という経文(きょうもん)のなかに描かれた場面に、「多宝塔」が地中から湧き上がってきて空中に止まる、という場面が登場します。この多宝塔の中には多宝如来と釈迦仏が並んで座っています。
この場面では、多宝如来は真理を現し、釈迦仏は智慧を現していて、多宝塔は私たちの身体をかたどったものとしています。
私た ちの精神と肉体の一致しているこの身体は、使えばあらゆる真理、あらゆる智慧が取出せる。そこを、多宝塔中、釈迦多宝の二仏の並座(びょうざ)で表現したのです
多宝という名の通り、私たちの身体には様々な宝が含まれているとされています。これを一名多宝塔と呼びます。
身体が多宝塔であるならば、私たちはその塔の中に眠る宝を知り、大切に扱っていくべきではないか、というのがお釈迦様の教えなのです。
もらった身体機能をどう使ってどうやって日常を豊かに生きていこうかな?って考えることが大切
精神、肉体、真理、智恵を備えたじぶんの体についてこれまで見過ごしてきたことは何かありませんか?これをきっかけに、身体の素晴らしさに改めてご自身でフォーカスをあててみてくださいね。
さらにこれからますます波乱の時代が訪れていくと言われています。今年2024年から2025年にかけて日本には変化がますます起こりますし、2030年にはさらに日本が大きく変わるとも言われています。
ですから今のうちにその宝を使って日常生活を豊かにしていくこと、その術を身につけていくことが求められているんじゃないかと私は思っています。
お金をたくさん貯めていても、たった1日で無一文になってしまうかもしれない
本当に何が起こるかわからない世の中。
他に代えられないもの、見つけておくのが、生き抜くために必要ですね。
私たちの唯一の財産、最初にして最後の財産
「私たちの唯一の財産、最初にして最後の財産=身体。頭、胸、腹、手足、そして全体。
その全てを実際に使うことでどれだけ多彩な表現をすることができるか。これを通して、私たちは身体が持つ可能性を実感することができるでしょう。
私たちの身体は多宝塔です、内に秘めた宝を発見し、大切に使いこなすことで、日常生活がより豊かなものになることでしょう。
普段、当たり前だと思ってる、「じぶんの体があること」。
今日はぜひ、じぶんの体すごい!素敵!大好き!って褒めワークをしてみてあげてください。
きっと体が喜んで、ますます元気になってくれることでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
それではまた次回!