エレガントな花の香り。
今週の月曜日のことだった。
定休日なのだが、焼き菓子の仕込みのためにお店に足を運んでいた。
帰りは陽が落ちてからになってしまっていて、あいにくの空模様で小雨がパラついていた。
少し蒸し暑い日だったこともあり、車の窓を少し開けて帰ることに。
すると、湿り気を多く含んでいたこともあり、外気に花の匂いが混じっていた。
とてもエレガントで、この香りの量だと一斉に咲き始める花であることを瞬時に認識をしたのだが、この花の名前がすぐには浮かんでこなかった。
それというのも、この10月という時期に一斉に咲き始めて、今感じている花の香りと状態がリンクするものが思い当たらなかったからだ。
そこで、今の10月という季節で一斉に咲き始める花を思い浮かべた。
そうだ、キンモクセイだ。
しかし、瞬時に連想ができなかったのには理由がある。
それは、とてもエレガントな香りだったからである。
キンモクセイ特有のあの重たいオレンジ色の重厚な香りではなかったからだ。
そうなのだ、咲き始めの花の香りはどんな花でもエレガントなのだ。
そして、上品さを纏った香りは、軽やかな「爽やかさ」を感じられるものなのだと思ったのだ
やはり、爽やかさを感じられる状態が、美しさを感じる香りなのだとそう思った。
まだ目では確認できてはいないが、どこかでキンモクセイが咲いている。
季節の移り変わりは、花の香りが教えてくれてもいる。