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農家さんに出会う、はじまりの前

福岡出身、鹿児島県日置市在住の私がふとしたことで、地域の農家さんのために何かできないか?と奮闘する記録です。

私が鹿児島に来て感じたことは、鹿児島はやっぱり農業県であることです。
スーパーに行けば、よく「産直野菜のコーナー」があり、直売所もあちらこちらにあります。
精肉コーナーに行けば、福岡や東京では肉屋にしか並んでいないような品質の肉がスーパーに並んでいます。
知り合いとかで酪農家という方もちらほらいらっしゃいます。
私たち世代でも「今週は田植えのお手伝いだ」「今週は稲刈りだ」と割と稲作のお手伝いに行っています。もちろんお手伝いの対価としてお米をいただけるからというのもありますが。

10年前に大隅町岩川に住んでいた時からなんとなく農業というものに興味があり、竹下さんという地元の有名農家さんが「年間3000円で農地を貸しますから、自分で野菜を作ってみませんか」簡単な指導をしますという企画に応募して2年弱野菜作りをしていたこともあります。

当時4歳2歳の子どもの育児をしながらど素人の私が野菜を育てたいというのは竹下さんにとって無茶な挑戦と見えたらしく、耕運機で一気に畑を耕してくださったり、土作り、畝の作り方、マルチの張り方など随所随所教えてくださったり、田植えのときは声をかけて下さったりしました。

2009年の冬野菜から野菜作りを始め、その冬は小松菜、ほうれん草、白菜、大根、ブロッコリーなどが収穫できました。初めて収穫ができたときの感慨深いものがありましたが、味がら美味しかったかと言われれば至って普通だったというのが正直な感想でした。

キャベツの葉は寒さと共にちゃんと巻いていくのです↓

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大きさ味ともに立派なブロッコリーでした↓

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2010年夏は天候も良くトマト、ピーマン、ナス、とうもろこしなどが収穫できたことに野菜作りの醍醐味を感じ楽しくそこそこの収穫ができました。トマト、ピーマン、ナスは自作のものは見た目はよくとも皮がかたい!というのが感想でした。この原因は水分不足、追肥が足りない、日光に当たり過ぎなど色々あるみたいです。

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またとうもろこしは1番上に付けている穂が雄穂で下のとうもろこしのひげといわれるもの1本1本が雌穂であり、これのひげにしっかり受粉しないと実にならず、歯抜けになるというのが初知りでした。うまく受粉できたものは写真の右でできなかったものは写真の左のようにできてしまいます。店頭で見かけるびっしり身が詰まったとうもろこしはプロの技術であることを実感しました。

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2011年夏が台風や大雨にやられてかなりの作物をだめにしてしまいました。被害を逃れたトマトを食べてみたところ、みずっぽいのです。この味なら市場には出せません。

それ以上に腐ったトマトやナスを捨てたり、腐りかけた茎を引き抜く時の無念さ。

その時思い出したのは、とある農業高校卒業のOくんに「どうして農業高校出たのに、農業関係の仕事に付かなかったの」と尋ねた時、いい加減な物言いだけど、とても的を得た回答をしてくれたことです。

「だって農業って一生懸命育てても台風とか天候によって、今までの苦労がすべてぱあになるっすよ。オレにはできないっす」

私が野菜作りを通じて店頭に並ぶ野菜の食べやすさ、品質の良さがわかったことで改めて職業として野菜を作る農家さんの技術の高さを実感しました。天候、天変地異に左右される農業の厳しさというものにも少しだけ体得できました。

その後岩川から鹿児島市内に引っ越してからは、野菜を育てる農業と接するという機会はなくなってしまいました。

そしてあのトップの写真の男の子が中学生である今、再び出会うことになったのです。


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