見出し画像

詩 「IDLE」

 あっ待って

 行かないで

 月に手を伸ばす醜悪な僕

 地に伏して

 夜を見上げて

 あの歪な月に泣いた

 君だったモノを胸に抱えて

 自業を自ら抱えきれずに

 ぼろぼろとソレは零れていく

 拾おうとして

 また零れる

 澄み切ったワインにインキが一滴

 それだけで穢れは広がっていき

 二度と価値はつかなくなる

 綺麗だったこの世界に

 僕が堕ちてしまったから

 その地面は汚れているの

 この月は丸くないの

 君はあの時どうして僕に

 優しい笑みを浮かべたの

 頸を絞られ怒気を浴びて

 僕じゃない僕に命を遊ばれ

 それでも君の顔は最も

 美しすぎた物だった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?