シェア
セックスと シガーと 何もない夕暮れの雨 生まれたままの姿で すべすべの首筋に反射する光は 何よりも純潔で 何よりも高貴で 触れたくて でも穢したくなかった 抱かれている私は きっと涙を流していて 傷をつけられたはずの貴方が その太陽のように 笑っているのはなぜだろうか もうすぐ真っ暗になる部屋で 何もせず 何にも邪魔されず 赦されるなら この首根っこが折れるまで ずっと抱きしめて欲しかった
キツめの煙草を咥える 火を付ける勇気もないのに 濡れたアスファルトの上で 肌寒さに震えながら 呼吸の味はサイアクで ひどく臭くてひどく不味い 溜め息ついて棒を折る 舞い散る茶色の粉末が 風に紛れて消えるのを それを見ているアタシは一体 どんな顔をしてるんだろ 褪せた金髪が夜をたなびく 勝手に夜は更けてゆく
満ち足りた月 見上げるとそこにいるけれど 上を向かなければ アンタの姿は拝めない ポケットに手を突っ込んで シケモクを噛み潰しながら 裏通りを彷徨う アテもないまま 良い感じに座れる場所に着くまで 吐き捨てた煙草は そよ風に飛ばされる なんて自由なんだろう そんなぼやきは 暗い闇の中に吸い込まれていった あの月は幸せなのかな ずっと独りなのに そんな弱音だって 誰にも聴かれる事はない もう一本煙草をつけ