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紅音の詩

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#自由詩

詩 「まじない」

 貴方の呪いのせいで  まだ私は縛られている  この美しい地球に  高度な文明に  貴方との営みに  命なんてどうでも良いと思った  孤独に苦しんで死ぬのだと思った  幼少期から  そんな事を考えていた  でも現実はどうだろう  拒絶しても拒絶しても  貴方は私を包むのをやめない  独りで生きていける剛さを持った私を  他人と関わる社交性を捨てた私を  野生動物のように  全方位を威嚇して  虚栄の縄張りを作って  遥か彼方から寂寞に苛まれた

詩 「IDLE」

 あっ待って  行かないで  月に手を伸ばす醜悪な僕  地に伏して  夜を見上げて  あの歪な月に泣いた  君だったモノを胸に抱えて  自業を自ら抱えきれずに  ぼろぼろとソレは零れていく  拾おうとして  また零れる  澄み切ったワインにインキが一滴  それだけで穢れは広がっていき  二度と価値はつかなくなる  綺麗だったこの世界に  僕が堕ちてしまったから  その地面は汚れているの  この月は丸くないの  君はあの時どうして僕に  優

詩 「胸中」

 セックスと  シガーと  何もない夕暮れの雨  生まれたままの姿で  すべすべの首筋に反射する光は  何よりも純潔で  何よりも高貴で  触れたくて  でも穢したくなかった  抱かれている私は  きっと涙を流していて  傷をつけられたはずの貴方が  その太陽のように  笑っているのはなぜだろうか  もうすぐ真っ暗になる部屋で  何もせず  何にも邪魔されず  赦されるなら  この首根っこが折れるまで  ずっと抱きしめて欲しかった