マガジンのカバー画像

紅音の詩

7
わたくしの無料公開詩だけを集めたバックナンバーです。 詩だけを見たい方はコチラ
運営しているクリエイター

#創作

詩 「IDLE」

 あっ待って  行かないで  月に手を伸ばす醜悪な僕  地に伏して  夜を見上げて  あの歪な月に泣いた  君だったモノを胸に抱えて  自業を自ら抱えきれずに  ぼろぼろとソレは零れていく  拾おうとして  また零れる  澄み切ったワインにインキが一滴  それだけで穢れは広がっていき  二度と価値はつかなくなる  綺麗だったこの世界に  僕が堕ちてしまったから  その地面は汚れているの  この月は丸くないの  君はあの時どうして僕に  優

詩 「胸中」

 セックスと  シガーと  何もない夕暮れの雨  生まれたままの姿で  すべすべの首筋に反射する光は  何よりも純潔で  何よりも高貴で  触れたくて  でも穢したくなかった  抱かれている私は  きっと涙を流していて  傷をつけられたはずの貴方が  その太陽のように  笑っているのはなぜだろうか  もうすぐ真っ暗になる部屋で  何もせず  何にも邪魔されず  赦されるなら  この首根っこが折れるまで  ずっと抱きしめて欲しかった