キレイゴト 〜カタツムリから脱出せよ!〜
幸せは、カタツムリに似ている
巨大なカタツムリの殻があって
僕達は、その溝を辿っている
スタート地点は人それぞれ
生まれ持った環境
才能とか運のようなもの
でも、あまり妬む必要はない
あまり大きな問題じゃないから
大事なのは、進む方向
奥に進めば不幸になるし
脱出できれば幸せになる
ぐーるぐると、螺旋を描く
螺旋が少しずつ、狭まっていくと
不安で仕方なくなる
誰かを道連れにしたくなる
途中で引き返し、螺旋が拡がると
心まで広くなっていく
誰かを幸せにしたくなる
急に超幸せになることもないし
急に超不幸になることもない
ぐーるぐると、螺旋を描く
幸せな時には幸せが重なり
不幸な時には不幸が重なる
そんな一筆の模様を辿る
萎み続ける不幸のベクトルを
逆転できる魔法があるらしい
キレイゴト っていうんだ。
本当はね、少し、唱えたくない
醜い僕には、綺麗な奴らが疎ましいから
でもね、僕には他に何もない
どん底から吐き出せるものなんて
溜息か、叫びか、キレイゴト
言葉に頼るしかないじゃないか
え?私には魔法が使えないって?
そんなことないよ。誰でもできる。
だってもう、君はとっくに魔法使い
誰かを傷つけるコトバ
自分を蔑むコトバ
不幸魔法の天才じゃない!
いつもと逆に唱えればいいんだ
カタツムリのぐるぐるを反対回り
ほら、少しずつ、
なぜか仲間も加わって
縁(円)が大きくなっていく
今日の不幸は見ないフリ
片目を瞑りカタツムリ
キレイゴトは、螺旋を描く
ぐるぐーる、拡がっていく
マズローの欲求階層のように
幸せがレベルアップしていく
今はまだ 鈍色(にびいろ)で
綺麗に見えないキレイゴト
でもさ、
人生を終えるその刹那に
「俺、幸せだったなぁ」
って、言いたいじゃん。
世界に届け、キレイゴト
世界よ染まれ、キレイゴト
これは、僕が僕自身のために
貴方に伝えるキレイゴト。
BGM[バックグラウンドメッセージ]
蛇足ながら少しだけ、解説など。
今が不幸だと感じるとき、今すぐ幸せになりたいと願うのは当然だけど、きっと今までのいろいろなことが繋がってしまうから、急には変わらないし、向きを変えただけでも変わらない。
少しずつ、歩みながら、変わるしかない。
のそのそと、カタツムリのように。
幸せな言葉を吐くということは、幸せを感じない人にとって、とてつもなく抵抗のあることだと思う。でも、同時に、とてつもなく簡単でもある。
だって言葉を吐くだけだ。
キレイゴトに対する嫌悪感は、ぶっちゃけ、不幸せな人しか抱かない。趣味嗜好の問題ではなくて、嫉妬とか自己擁護から来るモノだ。
めちゃくちゃわかるけれどさ
みんなで不幸を目指さない方がよくない?
みんなで喜びを連鎖させた方が楽しくない?
そんな、単純なこと。
キレイゴトを嫌いがちな自戒も込めて
言葉にしてみようと思ったのでした。
2024.8.11 顔薫