『「ADHD」の整理収納アドバイザーが自分の体験をふまえて教える! 「片づけられない……」をあきらめない!』を読みました。
こんにちは、神崎翼です。
社会人になってからADHDおよび広汎性発達障害と診断され早数年。最近は発達障害にまつわる本がたくさん出ていて勉強になります。
そして今回読んだ本がこちら。
『「ADHD」の整理収納アドバイザーが自分の体験をふまえて教える! 「片づけられない……」をあきらめない!』
(西原三葉著/2019.11/主婦と生活社)
掃除・収納部門honto ランキング第1位を獲得したこちらの本。
現在セール中で、通常1,210円が11/15まで100円で買えます。
ADHDの例にもれず、私も片づけは大の苦手。何冊も片づけ本を読み漁り、使えそうなものは実践し、それでも現在床の半分は物が直置きされている状況です。これそろそろ年末だけど大丈夫かな(大丈夫じゃない)。
今なら安いし、同じ障害者の方の実践方法なら部屋を綺麗にできるか……? と読みましたところ。
「ADHDの整理アドバイザー」をわざわざ指名してくださる依頼人にはいくつかの共通点があります。
共通点1 片づけ本をたくさん持っているのに、いっこうにやる気が起きない。片づけてもすぐに元通りになってしまう。
私のことじゃん!!
めっちゃ笑いました。
世の中には片づけ本があまた出ています。
しかし、その多くは「片づけがもともと好きな人、得意な人」が書いた本。
でもこの本は、発達障害の特性で片づけられずにもがき苦しんだ著者が認知行動療法を受け、数多くのADHDの方たちの部屋を実際に訪れて生み出した、実践的なノウハウをお届けします。(honto商品説明より引用)
商品説明にたがわず、全体的にわかりやすい、やりやすい、無理をさせない片付け実践術がたくさん書かれた本でした。著者が3人の子どもを育てたお母さんということもあってか、『「片づけられないわが子」への12の対処法』といった子に視点を置いた片付け術についても書かれています。
そしてこの本のもうひとつの中心が、発達障害者やグレーゾーンの方への励ましです。
『片づけは心のリハビリ、人生のリカバリー。人生に行き詰まりを感じていた私を強くしてくれたのが、片づけでした』(本文より)
発達障害者は定型発達(いわゆる「普通の人」)の方が当たり前にやっていることができません。発達障害者同士でも「えっそれができないの?」と驚くようなこともあります。自他ともにさぼっている、だらけているとしか見えず、非難されたり自責することも多々です。自分ですら自分の味方になれないぐらい、できないんです。地獄かな?
私も、全部障害のせいとわかった今でも「私はこんなこともできない人間なんだなあ」とつらつら悩むのはやめられません。たぶんそういう人は多いんだろうなと思います。
そんな発達障害者の人たちに対し、この本は片づけを通して「自分を好きになれる」きっかけを与えてくれます。片付け実践本であり、片づけで傷ついた心を慰めてくれるリハビリ本です。
個人的にめっちゃ勉強になったのが「「片づけが苦しい」をときほぐす"ワンポイントメモ"」で書かれていた『カサンドラ症候群』。
『カサンドラ症候群』
ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)のある人とよい関係が築けないために、心身ともに苦しむこと。身近な人がASDであった場合、がまんが重なり、自尊心の低下や怒り、不安や恐怖感といった症状が生じることがあります。(本著より抜粋・引用)
ものすごく心当たりがあります……………。
身内の一人がASDで、特定の家事へのこだわりがすごく強いです。一例を出すと、私が皿洗いを忘れたのがショックで、数日後に朝から泣いて体調を崩しました。「いやそんなことで?」と思いますが、身内からすると本当にしんどかったようで。そしてミスってるのがこっちだから、「私が悪い」としんどくなる負のループ。これ、お互いの特性がぶつかってる事故なんですけど、この事象にすら名前があることをこの本を読んで初めて知りました。
「私だけじゃないんだな」ということが、心の負担を少しだけ片づけてくれました。これだけでも、読んでよかったです。
今ならセール中です。11/15まで。ぜひどうぞ。
あと、こんな本も読んでます。