5-10分で読める青空文庫/薄田 泣菫著『春の賦』
こんにちは、神崎翼です。
皆様ご存知、誰でも自由に読むことができるインターネット電子図書館『青空文庫』で、短い時間で読めるお話を中心に読書記録を付けています。
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今日の読書記録は薄田 泣菫著『春の賦』です。
(読書日 2020/09/09)
分量:約5分
「はるのふ」と読むらしいです。「賦」って何だろうと思ったところ「授け与える」「詩歌」など、色々な意味のある漢字でした。エッセイですが、春賛歌の詩と言われても遜色ない作品。五感から春の青さが伝わってきて清涼感があります。作者の名前には「菫」という文字も含まれていますし、春が一等お好きな方だったんでしょうか。個人的に好きだった一節はこちら。
草は草で、天鵞絨(ビロード)のやうな贅沢な花びらをかざり立てて、てんでにこつてりしたお化粧(めかし)をした上に、高い香をそこら中にぷんぷんと撒(ま)き散らし、木は木で、若々しい枝葉を油つこい日光の中へ思ふさまのびのびと拡げて、それぞれみづからの生命を楽しんでゐる和やかさ。
「こってりとしかお化粧」とか「油っこい日光」とかの言い回しに、頭の中でフキノトウや菜の花といった春の味覚がてんぷらで連想されました。お腹空いてきたな……。次の春はどんな季節になるでしょうね。楽しく、美味しく、美しい季節だと嬉しいです。
以上です。
次の読書記録で会いましょう。
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