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「雑貨屋は開業して10年で9割が閉店する!?」は正しいのか

こんにちは、神崎翼です。お正月休み中にこんな本を読みました。

成功する雑貨屋さん ショップ経営に欠かせないこと
(2012.6/マツドアケミ/主婦の友社)

いわゆる雑貨屋さんの経営ノウハウ本です。「27歳で始めた雑貨ビジネスを4年で年商1億にしたオーナー」という方の実例を元に、雑貨屋さんを経営し繁盛させる&継続させるために必要なことを書いています。

以前読んだ『はじめる雑貨屋さん』は雑貨屋さんを開業するまでの手順書&教科書でしたが、こちらは開業後、小さなお店を繁盛させるための経営術について重点が置かれています。

その本の中で、こんな記載がありました。

開業して10年で、9割が閉店してしまう!?
(中略)雑貨屋さんに限らず、起業して10年後に残っているお店は、約10%といわれています。

たしかに、ネット文化の浸透・発展によって、いわゆる「小さなお店」を開く敷居は年々低くなる一方ですが、開業した店すべてが継続・繁盛しているかといわれると首を傾げます。

「じゃあ試しに数えてみよう」

●調査の参考資料

ということで、追加で読んだ本がこちら。

大阪とっておきの雑貨屋さん
(2013.10/あんぐる/メイツ出版)

雑貨屋さん好きの方にはご存じの方もいるかもしれません。各地の雑貨屋さんを特集したシリーズ本の大阪版です。こちらの本、出版されたのは2013年で、今が2021年なので約8年前。大雑把に数えて10年前と数えてもいいという判断の元、この本に記載された58店舗の雑貨屋が今も経営しているのかネットで調査してみました。

●調査の仕方

1.本に記載されたお店のウェブアドレスをGoogle検索
2.見つからなかったら店名+地名で追加調査し、それでも見つからない、判明しなかった場合閉店判定

昨今の情勢上、あっちこっち行くわけにもいかないので調査はネットオンリーです。ですので、「お店のウェブサイト消えてるしネット上に全く情報ないけど実は営業継続中だよ!」という場合はわかりません。あしからず。

ちなみに他のルールはこちら。
(実店舗の経営が継続しているか、に重点を置いています)

【その他閉店判定】 → お店のウェブサイトで閉店と明記、通販部のみ継続、該当店舗は閉店しているが複数経営していた他店舗は継続、実店舗は閉店しているが経営元のブランドは継続 等
【継続判定】 → 移転、休業中、改名して継続 等
【そもそも本にお店のウェブサイトが記載されていない】 → 判定不可

●ということで結果!

継続 … 40/58

閉店 … 18/58

判定不可 … 1/58

閉店率は約31%でした!!

さすが本に取り上げられるレベルの雑貨屋さん、なかなかの継続率です。

ですが、逆に見れば定価1600円(税別)の本に記載されるようなレベルの高い雑貨屋さんですら、八年後には三割が閉店するということ。中々にシビアな世界です。開業したうえで稼ぎたい、お店を継続したいという人は、最初にご紹介した本を一読することをおすすめします。

お正月休みを丸一日使って調べましたが、中々楽しかったです。読書感想文からは逸脱した気がしますが、まあこういうのもアリということで。それではまた。

***

●蛇足・ウェブサイトについて

この調査でたくさんの雑貨屋さんのHPを見た感想なんですが、

「オシャレとか後回しでいいから、見やすいウェブサイトにしてくれ……!」

オシャレ優先でどこに必要な情報があるのかわからなかったり、親しみやすさや書きやすさ優先なのかブログしかなかったり、ネットショップに辿り着くまでに相当手間がかかったり……検索するだけなのにめちゃくちゃ大変でした。

本の中に「売り上げが上がるネットショップのつくり方」というページがあったんですが、マジでこれを徹底すればネットショップの売り上げは上がります。そこのハードルクリアできてない雑貨屋さんめっちゃありました。

せっかくなので、調査して継続中だった40店舗のサイトをざっと貼っておきます。ネットショッピングを楽しむなり、ウェブサイト作りの参考にするなり、お好きにどうぞ。


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神崎翼
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