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はじめまして、 甘信堂製菓「飴屋のトシくん」です。
静岡県は藤枝市という小さな街で、飴製造会社を50年余り営む「甘信堂製菓」の小売りブランド「甘信堂クラシック」の責任者、製菓衛生師のおじさん、トシくんです。
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この度、我が妻である社長の命により、甘信堂クラシックnoteをはじめるコトと相成りました。
えっ、おいおいマヂかよ!さほどモノなど書いたこともないのに…
と一瞬戸惑いましたが、頑固で寡黙な飴職人が渦巻く中、毎日”飴工場”に勤務し製造に携わる立場なワタクシ。どうせ書くなら、専門でないとなかなか知りえない飴製造の裏側や、飴職人オジサンあるある、飴業界のエトセトラ、等々を飴屋の視点で綴ってみてもオモシロイのかも。なんてふうに思えています。
まぁ、誰がそれを知りたいのか?根本的疑問はありますが…笑
そんなワケで、まずはご挨拶代わりに、我が「甘信堂クラシック」とはなんぞや?をザックリと。
まずは、甘信堂製菓のコンセプトのようなモノ。
放課後、小遣いを握りしめ毎日のように駄菓子屋に行きました。そこには必ず飴があり「はい50万円。」が口癖のオバチャンに、小銭と引き換え飴を買い頬張ったものです。その甘く美味しい「飴」は今でも鮮明に覚えています。
最近では、栄養補助の目的であったり健康食材を使用したり、多彩な飴が製造されその役割を与えられています。そして一様に美味しくはなりました。自分が幼き頃と、だいぶカタチは変わりました。
ただひとつ言えるのは「いつの時代も飴は生活の側にある」ということ。
さらに時代は加速し変化するのでしょう。
しかし、甘信堂はこれからも「飴を頬張るその笑顔」を見つめ、変わることのない「人の笑顔」を飴を通して作り続けたいと思っています。
自分たちでも小売りしてみよう!がはじまり。
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甘信堂製菓は基本、飴の製造専門の工場。
幾つかの自社商品を造り菓子問屋に卸し、どことも知らないスーパーや量販店に商品が並ぶ。または、飴の委託製造を受けクライアントが欲しいものを造り納める、まぁいわゆるPB工場。要するに、エンドユーザーの声をほとんど聴くことがなく、ただ「おいしい飴を造り続ける」事がモットーであり、それが50年の間の我らの正義でした。
もちろん、それにより「飴の製造技術と職人の技」には絶対の自信があり、目を見張るほどの底力があるのは手前味噌ですが事実。ずっとそれだけに長い間携わるコトで、様々な企業やブランドさんからのお声も多くなってきています。
が、それだけの未来で良いのか?
そして、前述しましたが、現代では飴自体の概念も大きく変化してきました。簡単に言えば、職人技術が伴った昔ながらの飴は消えゆく一方。少量ながら生きながらえている状況です。コンビニやスーパーに並ぶ飴・キャンディを見ても、単純に菓子としての飴よりも、のど飴など何かしらの”効果や目的”のモノがほとんど。
うーん、コレって寂しくない?
我らは今でも、地釜直火で煮詰め職人の手をかけて造るニッポンの飴を少なからず造っています。やはりこの技術と飴たちを、出来る限り残したいねと。そんな飴を伝えるために生まれたのが【甘信堂クラシック】です。素材を生かし、これらの飴を引き継ぎ【現代に合わせてリメイクする】を掲げました。
それで、小売りしてみようよ!
単純に今のライフスタイルに合わせてみる。
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と言うものの、長い間親しまれてきたニッポンの飴は、今さら何か手を加えたりするようなモノでは、目先を変えるだけの付焼刃にしかならない。
飴としてすでに完成されてますからネ。日清カップラーメン(醤油味)みたいなものです。
それよりも根本を考えてみるコト、そうそもそも、現代にあっているのか?
パッケージの大きさであったり、内容量であったり、1粒のサイズ感や重さであったり、そして食べやすさや食感であったり。
例えば、我が社だけでなく一様に、これまでの懐かしい飴たちのパッケージは一様に大きめで内容量も多め。何にでも言えると思いますが、どこか「たくさん入っている方がお得」感覚が、今だにあるのかもしれません。
が今や、住まいの間取りだって、仏壇だって、家電だって、小型化されたり薄くなったり、どんどんシンプルになってきているワケで。いやぁ~この時代に古です、ハイ。
そのあたりをグッと根本から見直し、変えるべきでないもの、変化させた方が良いところを区分し、私たちなりに改良を重ねました。何かを加えるとか、捏ね繰り回すのではなく、見直すというカタチで。
そして「甘信堂クラシック」になりました。
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あっと言う間に月日が経ち、かなり時間を要しました。当たり前ですが何事も一筋縄ではいきませんね。
単に、食べやすさのため粒を小さくするだけでも「型」からの見直しが必要ですし、食感をやわらかにすると自動カッターの刃では切れず&水分量で賞味期限がグンと短くなったり、飴が見えるようなパッケージにするには日光の遮断や保管が難しくなったり…etc
そんなこんなを繰り返しリスクを取りながら、よーやく完成した時にはすでに1年が過ぎていました。
結果、手のひらに乗るポストカードほどのコンパクトパッケージで65~85gの内容量、ストレスなくバックインできる携帯サイズに。
1粒は約3~4gほどの小さな粒となり、女性でも軽快に頬張れるちょうど良い一口サイズに。そして、飴のカテゴリを3つのシリーズに区分しシンプルデザインな透明パッケージになり、飴贈るギフト包装も用意ができました。
もちろん、それ以外にも多くの細かな改良点がありますが、何はともあれココに「甘信堂クラシック」が完成。スタートとしてのカタチが整いました。
しかし、ココからが本当のはじまりですね。
運営販売していく中で【現代に合わせてリメイクする】を、さらに実践していこうと思います。大切に培ってきた手造り製法で、歴史ある”ニッポンの飴”を、今この時代に皆さんに直接お届けし、生の声を聴かせてもらえたら。
50年もの間、甘信堂製菓は飴で育ててもらいましたからね。飴で最大のお返しができるように精進しますよ。たかが飴、されど飴、飴ちゃんを愛してくれる全ての方に感謝を込めて。
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![ニッポンの飴|甘信堂クラシック](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/85384633/profile_c86b120f66db113786d6ebee22cd03e5.jpg?width=600&crop=1:1,smart)