台湾ドラマ「時をかける愛」(原題「想見你」)~中国語で読むセリフ集 ⑥~⑩話
第6話 君が好きだ
陳韻如の身体に乗り移った黄雨萱は、自分の記憶と韻如の記憶が入り交じって混乱する。王詮勝にそっくりな李子維を見ると複雑な気持ちになる。
内気で孤独な韻如に心を寄せていた莫俊傑は、韻如の性格が急に変わって戸惑いながらも、彼女のことが好きだと告白する。韻如と子維、俊傑の三人は、次第に仲良くなり、ある日、レコード店の前で一緒に写真を撮る。その写真こそ、未来の雨萱がアプリで見つけたものだった。
ある日、韻如のもとに警察がやってきた。襲撃事件について聴取を受け、現場に補聴器が落ちていたことを知らされる。
シーン6
莫俊傑は、陳韻如が李子維のことを好きだと知りながら、自分の彼女への思いを告白する。
――君が好きなのは、君の夢に出てくるあの王詮勝って人だけならいいなって思うんだ。もしそうなら、「君が子維のこと気になるのは、あいつが君の夢の中の人に似ているからっていうだけで、ほんとはあいつのこと、少しも好きじゃないんだ」って自分に言い聞かせられる。そうすれば、僕は、堂々と「君が好きだ」って言える。
第7話 既読された
黄雨萱は、再び時空を越えて、2019年の台北に戻る。飛行機事故から2年の間ずっと送り続けていた王詮勝宛てのメッセージが、突然既読になった。
困惑した雨萱は、同僚に調べてもらい、携帯の契約者は李子維という名前で、最後の通話の電波は、呉文磊の喫茶店から出ていることを突き止めた。
雨萱が喫茶店を訪れると、レコード店の看板や白いギターなどに既視感を覚える。呉文磊は、かつて韻如が「自分は黄雨萱だ」と言っていたことを雨萱に話す。そして、韻如の日記を雨萱に手渡す。
不眠症に悩んでいる雨萱は、心療内科の謝(シエ)医師に、余りにリアルで不思議な夢を見たことを話す。
シーン7
黄雨萱は、自分が1998年にタイムスリップして、陳韻如という名の女の子になった夢を見た、と謝医師に告げる。
――夢の中に、李子維という男の子がいて、死んだ彼氏と瓜二つなんです。時々、その子を見ていると、彼氏がまだ生きているように錯覚するんです。そして、だんだんわたしが本当にその女の子になってしまうように感じて、逆に、現実世界にいるこの黄雨萱という人間のすべてが、まるで夢であるかのように感じるんです。でも、心の声が言うんです、「これは夢なんかじゃない、これは現実なんだ」って。
第8話 彼こそが王詮勝
日記には「彼こそが王詮勝」という1行が書き足されている。動揺した
黄雨萱は、もう一度1998年の台南に戻り、再び陳韻如の身体に入って、泣きながら李子維のもとに駆け寄る。
しかし、よく考えると年齢の計算が合わないので、李子維が王詮勝と同一人物ではあり得ない。雨萱は、2019年の台北に帰りたいと思うが、その方法がわからず、そのまま女子高生の陳韻如として過ごすことになる。
韻如に思いを寄せる莫俊傑は、子維に向かって、その気がないなら韻如に近づくなと言い渡し、二人は気まずい仲になる。子維は、韻如が泣いていた理由がわからず戸惑うが、しだいに彼女に特別な感情を抱き始める。
シーン8
ちょうど警察の聴取を受けた場面にタイムスリップした雨萱は、今まで夢だと思っていたものが夢ではないことを悟る。
――本当に陳韻如の身体に戻ったんだわ。しかも、以前に経験した時間に戻ってる。これはすべて夢じゃなくて、1998年に陳韻如の身に実際に起きてたことだった、つまり、この前わたしが見た夢も、あの日記に書いてあることも、すべて現実だったんだわ。
第9話 打ち明けた真実
陳韻如の身体に入った黄雨萱は、韻如が1998年の大晦日の前日に殺されることを思い出す。もしその日までに元の世界に帰れなかったら、殺されるのは自分になってしまうと動揺する。黄雨萱は、自分が未来から来た人間だと呉文磊に打ち明けるが、文磊は雨萱の言うことを信じず、襲撃された後遺症で錯乱しているのだと思っている。
陳韻如の傷害事件の現場に補聴器が落ちていたため、莫俊傑が重要参考人として警察の取り調べを受ける。俊傑が退学処分になるかもしれないと知り、李子維は急いで黄雨萱のもとに行き、俊傑を助けてくれと頼む。雨萱は俊傑を警察署に連れて行き、彼が犯人ではないと証言する。
シーン9
警察署を出て三人で食事中、雨萱が証言してくれたことについて、莫俊傑が礼を言うと・・・。
――雨萱: わたしにお礼なんて言うことないわ。お礼言うなら子維に言ってよ。もし子維がわざわざわたしの家に来て教えてくれなかったら、わたしあなたが警察に容疑者扱いされたってこと知らないでいたわ。
子維: おれは何にもしてねえから、礼なんかいらねえよ。それにさ、もし犯人に間違われたのがおれだったら、俊傑だって、きっとおれと同じように君に証言お願いしに行くだろ。
第10話 襲撃事件の犯人
陳韻如の身体に入って生きている以上、韻如の人生を壊すな、と呉文磊に諭され、黄雨萱は、大学受験を控えた高三の女子高生として、しっかり勉強することを期待される。
もともと韻如は性格が暗くて友だちもいなかったが、雨萱が演じる韻如は、明るく活発でクラスの人気者になる。李子維は、そうした快活な韻如に次第に好意を抱くようになる。
子維と俊傑に呼び出された韻如は、彼女を襲った犯人は、自分たちと同じ高校の制服を着ていたと話す。
シーン10
韻如と子維、俊傑の三人は、襲撃事件の犯人について語り合う。韻如は犯人の姿をおぼろげながら覚えていた。
――わたし、ずっと頭の中に、あるシーンが浮かぶの。あの時、わたしを襲った犯人、わたしたちの学校の制服を着てた。今はそれくらいしか手掛かりがないわ。もし、卒業前にその犯人を捕まえることができなかったら、卒業した後に捕まえるのは、もっと難しくなってしまうわ。
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