台湾ドラマ「時をかける愛」(原題「想見你」)~中国語で読むセリフ集 ⑯~⑳
第16話 王詮勝は遊び人?
2012年、台北。王詮勝(中身は李子維)は、黄雨萱が通う大学に合格し、一年後輩として通い始める。入学初日、キャンパスで雨萱を見つけ、道に迷ったふりをして馴れ馴れしく話しかけ、いきなり「君が好きだ」と告白するが、雨萱にはボーイフレンドがいた。
同郷の新入生に誘われて女子学生と焼き肉店で合コンをしていると、そこでバイトをしている雨萱に出会い、とんでもない遊び人と思われてしまう。
王詮勝はひどく落ち込むが、態度を変えて辛抱強く彼女に近づこうと決心し、同じ焼き肉店でアルバイトを始める。
シーン16
黄雨萱に拒絶され、落ち込んで酔っ払った王詮勝は、胸中の苦衷を呉文磊に打ち明ける。
――おれ、今になってやっと何もかもわかったよ、あの時、黄雨萱が陳韻如になってどんな気持ちだったか。自分の好きな人が自分の目の前にいるのに、彼女はおれのこと全然わからない。おれの思いにも気づかない。おれが心の中で話したいと思ってる言葉も、彼女には聞こえやしない。
第17話 韻如の墓参り
2008年、台南の刑務所から出た莫俊傑を出迎えたのは、杖をついた李子維だった。雨萱でもあった韻如を殺した自分を恨んでないのか、と俊傑が問うと、子維は、俊傑がやったのではないと信じている、と答える。
俊傑が誕生日ケーキを持って韻如の墓参りに行くと、墓前には、先に韻如の母親と弟が来ていた。
一方、焼き肉店で一緒に働いている黄雨萱と王詮勝。雨萱は、詮勝がなぜ自分の嗜好や習慣まで知っているのか不思議に思いながらも、次第に、彼に人間的な魅力を感じるようになる。
シーン17
死にたいと訴える友人を無視しようとした毛毛(マオマオ)に対して、詮勝が真剣な口調で語りかける。
――誰にでもさ、多かれ少なかれ、辛すぎてどう乗り越えたらいいか分からないことってあるだろ。自分の力で前を向くことができたり、うまく友だちに助けてもらって乗り越えることができたり、そういう幸運な人もいるけどさ、でも、そういう運のない人間もいるんだ。おれの一番の親友みたいに。あいつのあの事を知った時からずっと、もし過去に戻れるなら、おれは自分のすべての力を使い果たしてでも、あの事が起きるのを食い止めてやるって、そう思わない日は一日もないんだ。
第18話 誕生日ケーキ
黄雨萱の19歳の誕生日。雨萱の彼氏が元カノとよりを戻し、別れ話を切り出す。傷心の雨萱がバイト先に戻ると、王詮勝が一人で誕生日ケーキの前に座っている。閉店後の店で、ケーキを食べながら語り合う中、詮勝は、昔、自分が李子維だった時に遭遇した迷子の少女が雨萱であったことを知る。
雨萱は、次第に、詮勝の熱意と優しさに心を動かされるようになり、生理痛で困っているところを助けてもらった日、彼と付き合う決心をする。
一方、台南では、莫俊傑の祖母が死去する。子維と一緒に酒を飲みながら思い出話に浸った夜、俊傑は韻如が亡くなった同じ場所で投身自殺する。
シーン18
雨萱は、6歳の時に道に迷って、ある優しいお兄ちゃんに出会った思い出を詮勝に話す。
――いつだったか、お祖母ちゃんに会いに台南へ行った時、うっかり道に迷っちゃったの。そしたら、とても親切なお兄ちゃんに出会って、わたしを連れて帰り道を探してくれたの。それに、美味しいものをたくさん食べさせてくれたの。・・・どんな顔の人だったか思い出せないけど、でもその時、自分に言い聞かせたの。もし将来、男性と付き合うなら、このお兄ちゃんみたいに、思いやりがあって、わたしを大切にしてくれる人がいいなって。
第19話 この便には乗るな
大学卒業後、李子維と黄雨萱は同棲し、幸せな日々を送っていた。
ある日、雨萱が上海転勤を希望する。それがどういう結末になるか知っていた詮勝は、必死で反対するが、阻止することに失敗する。
2017年、空港ロビーで、杖をついた李子維が王詮勝の前に現れる。子維は詮勝に、飛行機に乗らないよう諭すが、詮勝は搭乗ゲートへ向かう。
飛行機事故に遭って、目を覚ますと、そこは2003年の台南、自動車事故の2週間後にタイムスリップし、その後、苦しいリハビリが待っていた。
シーン19
空港に杖をついた李子維が現れ、王詮勝に、この便には乗らずに、次の便に乗るようチケットを渡そうとするが、詮勝はそれを受け取らない。
――もしおれがこの便に乗らなかったら、今の君はどうなるんだ?もしおれがここを去らなかったら、黄雨萱はどうやって過去に戻るんだ?おれはどうやって彼女を好きになるんだい?おれはこんなとこでいったい何をジタバタしてるんだか。王詮勝の身分で黄雨萱に出会うんだって決めたあの時から、遅かれ早かれ、この日がやってくることを知っておくべきだったんだ。
第20話 同級生の弟
黄雨萱と李子維は、韻如の叔父呉文磊と一緒に、これまで二人が経験したタイムスリップの状況について話し合う。
雨萱は、かかりつけの心療内科医の謝芝斉が、高校で子維と同じクラスだった謝宗儒の弟であることを知る。
謝芝斉が雨萱のアパートを訪れ、こっそりウオークマンを聞いて、1998年にタイムスリップし、兄宗儒の身体に入り込み、陳韻如を襲う。
子維がアパートに戻り、麻酔で雨萱を眠らせて逃げた芝斉の後を追うが、格闘の末、芝斉に殺害される。
シーン20
黄雨萱は、謝芝斉のクリニックを訪れ、謝宗儒という人物を知っているかと尋ねると、意外な答えが返ってきた。
――君の知ってる謝宗儒は、僕じゃなくて、僕の兄だよ。兄は僕より六つ上だけど、会ったことある人はみんな僕らがそっくりだって言うよ。だから、君が僕のことを兄と間違えても無理はないよ。・・・僕の記憶では、最後に兄に会ったのは、確か1999年だったかな。あの年、兄は療養施設に入ったんだ。受験勉強のストレスに耐えきれなくて頭がおかしくなったんだと思うけど、自分の身体に別人の声がして、いつも「殺せ!」って命令してる、とかなんとか言ってた。
次回投稿:㉑~㉖(最終話)
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