3.【レベルデザインのガイドライン】ゲームデザインとレベルデザイン

 ゲームデザイン と レベルデザイン
 日本では未だに誤用されるこの二つの言葉。少しでも誤解を減らし、レベルデザイナにゲームデザインを発注してしまったり、ゲームデザイナにレベルデザインを発注してしまうという、不幸を減らすために解説します。
 また、新たに「レベルデザインのガイドライン」という言葉を提唱します。これによって、各レベルデザイナの権限が明確になり、また連携がスムーズに、そして一貫性のあるレベルデザインを行えるようになると思います。

▼「レベルデザイン」とは
 日本語で「ステージ」と呼んでいるもの、これを英語では「レベル(Level)」と呼んでいます。このレベルをデザイン(設計)することを「レベルデザイン」と呼びます。
 反対に言うと、それ以外の概念は含むべきではないのです。

 もっと踏み込んで「レベルデザイン」を定義すると、この記事で定義している「1.1)メカニクス 1.2)調整 で設定されたゲームデザイン全体のルールを利用して、」となります。各ステージを設計すること」となります。

▼スーパーマリオのゲームデザイン & レベルデザイン
 スーパーマリオの例を使用して説明します。

ゲームデザイン)
 - マリオは左右に直線的に移動できる
 - マリオはジャンプを行うことで上下への移動ができる
 - マリオ左右に移動しながらジャンプを行うことで、足場のない場所を移動できる
レベルデザイン)
 - 1-1では幅の狭い、簡単に飛び越えられる崖を用意する
 - 後半のステージ(8-Xとか)では、崖ギリギリのところで踏み切らないと飛び越えられない崖を用意する

 この例では、スーパーマリオの中でも「移動」に関する説明をしましたが、同じことが「敵を倒す」ということについても説明できます。
ゲームデザイン)
- ファイアで敵を倒せる
レベルデザイン)
- 簡単なステージでは、連打して走りながらファイアを放ち続けると、敵を一掃して駆け抜けられる
- 少し難しいステージでは、敵を一掃できずに途中で敵に衝突してしまう

 もちろんこれらは一例なので、実際にすべてを列挙するともっと多くなります。
 ただ、ゲームデザインのルール数は限られています。というのも、ゲームデザインのルール=プログラムなので、それだけプログラマがシステムを作らなきゃいけなかったり、プレイヤーもそのルールを覚えなければいけないので、シンプルなほうがゲームとして遊びやすく洗練されたものになります。
 反対にレベルデザインは、その限られたゲームのルールをいかに工夫してバリエーションを作るか、といったことが命題の一つですから、いいゲームほど、無数の解釈が存在しうるのです。


▼レベルデザインのガイドライン
 「レベルデザインのガイドライン」という概念を導入したいと思います。「ゲームデザインのように、システム的に整備されたルールではないけれど、ステージ間に一貫性を持たせよう」とするときに必要になるガイドラインです。
 例えば、
  a)雑魚戦は基本1ターンで終わる。長くて3ターン
  c)すべての行き止まりに宝箱を設置する
  d)ダンジョン探索は15分を目安に風景を変化させる
 この辺がレベルデザインのガイドラインに対応する項目かと思います。

▼さいごに

 そういうわけで、1)ゲームデザイン、2)ゲームサイクルのデザイン、3)レベルデザイン、4)レベルデザインのガイドライン というこれら4つの要素がすべてそろっていると楽しいゲームが作れるのではないかな、と考えています。

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