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書籍「ソーシャルワーカーという仕事」は、人と社会をつなぐ人にオススメな本
ソーシャルワーカーの人たちや、無免許ソーシャルワーカー的な人と仕事などでご一緒すると毎回すごいと思う。
しかし自分は知識が乏しいのでそのすごさを言語化できないもどかしさがある。そのもどかしさを少しでも埋めたくて、書籍「ソーシャルワーカーという仕事」(ちくまプリマー新書)を読了した。そのすごさの核心に少し触れた気がする。
特に2章の「アル中の元タクシー運転手」や「実の父から緊急で避難した少女」などのエピソード、その心理描写で筆者の考えのプロセスが伝わり、没入してソーシャルワーカーの働き方を知ることができた。そしてサブタイトルのつけかたが小粋。
「なかなか死ねない、のですか?」
この「、」のつけ方をどこかで真似したい。
その人、確かに放火はしたけど、でも、手加減してます!
何の話なのか読み進めたくなること必至。
後に3章で解き明かされるソーシャルワーカーとしてのテクニックの本人解説が、まるで推理小説の探偵が犯人のトリックをあばくようであざやかだった。決して主眼はそこではないだろうけど。
2章 第1話に登場するアル中の元タクシー運転手さんをどのように動かしたか、その要因に
社会福祉の知識
どう働きかければ絶望している人は動くかというソーシャルワークの技術
困った状況にいる人へのやさしい心
があり、3つに序列はないと触れられている。
自分にはどれも欠けているが、そのまちでどこに連れていけばなんとかしてもらえるかは知っておきたいと思った。
ソーシャルワーカーの仕事のすごさを言語化できるようになったとは言えないし、何度も読み直さないと本質を理解できていないだろうけれど、ソーシャルワーカーを目指してなくても読みやすくて入門書にぴったりだと感じた。
これからますます必要とされる仕事だろうし、ソーシャルワーカーではなくとも、人と社会をつなぐ人は誰でも参考になる一冊だ。