商売人から学ぶ人を動かす交渉術⑥
おはようございます!!
とうとう今回で「人を動かす交渉術」も最後になりました。
気がついたら、投稿も100を超えていました。
毎日、自分の学んだことをアウトアップのつもりで始めたんですが、いいのか悪いのか?毎日のルーティーンになっています。
はい!!
さて本日は、「交渉の際に使える12の心理学」のお話しをさせてください。
交渉の際に使える12の心理学
交渉している時、役立つ心理学も様々存在しています。
ここでは、交渉の時に使える心理学についてお話します。
心理学1:ミラーリング
ミラーリングとは、相手の仕草のマネをする手法を指す心理学です。
相手に動きをあわせて無意識的に似ている存在だと思わせることで、親近感を抱かせることができます。
声のトーンや口調など、相手にあわせるよう意識することで、次第に相手は「この人なら大丈夫そう」と信頼してもらえるようになり、交渉においてもスムーズに進みやすくなります。
心理学2:ダブルバインド
ダブルバインドとは、2つの選択肢を出すことで、断る選択を消す手法を意味した心理学のことです。
人はあらかじめ、決められた選択肢のみに目がいくことが多いです。
なんとしても実現したい、自分イチオシの企画や提案を通すにはまず、上司は「この企画を通すべきか否か」、参加者も「賛成すべきか否か」という「二者択一のマインド」があります。
この「マインドセット」を組み替えてしまうのです。
そのために、本命企画の他にダミーの企画を2~3個つくります。
これによって上司や参加者は「採用・不採用」の「二者択一マインド」から、複数の規格のなかで「どれが一番良いか」を探す「選択のマインド」に変わるのです。
つまり、複数の規格を出すことで「却下する」という選択肢が消えます。
これで企画や提案が通る確率は飛躍的にアップするでしょう。
また、「決められない」人には「AとB,どちらが好き?」というように、他の選択肢を消すことで、答えをAかBのどちらかに誘導することができます。
このように、実際には複数の選択肢があるのに、二択しかないと思わせるのは、誤った前提ゆえ「誤前提暗示」と呼ばれています。
心理学3:バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、人気のあるものや支持されている商品に対して、ついひかれてしまう心理を指しています。
例えば交渉の時に、「他のみなさんも使っているんですよ」「多くの方に支持されている商品です」などと言えば、相手も興味を示しやすくなります。
「だったら買ってみようかな」と思うことも少なくなく、交渉が上手くいきやすくなるでしょう。
心理学4:キャリブレーション
相手を観察し心理を読み取ることを、キャリブレーションと言います。
人はコミュニケーションをとる時、言葉以外の部分でも様々なメッセージを発信している傾向があります。
交渉の時では、表情やジェスチャー、さらには声のトーンなど、様々な部分をしっかりと観察するよう意識してみてください。
相手の考えることを察知することで押したり引いたりするタイミングがわかるので、交渉もうまく進めやすいでしょう。
心理学5:アンカリング
アンカリングとは、印象的な情報が基準となり、その後の行動に影響を与える効果のことを指しています。
マーケティングの世界でも有名な言葉で、価格交渉の時にはより有利に進めやすくなります。
例えば交渉で価格の話になった時、「以前は10万円だったんですけど値下げして3万円になったんですよね」と提示すれば、相手は「ものすごいお得かもしれない」と思うようになり、商品の購入につながりやすくなります。
心理学6:ドア・イン・ザ・フェイス
大きな要求を突きつけ、相手に断らせてから負担の小さい要求をだす手法がドア・イン・ザ・フェイスです。
商品を提案する時、最初に高めの値段を言えば断られる可能性も高いです。
そこで、相手に何度も断らせる中で値段を下げてみてください。
相手は次第に罪悪感を覚えるようになり、「せっかくだし相手のお願いを聞こうかな」と思ってくれるようになります。
心理学7:フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアとは、最初に小さい要求をだして受け入れてもらい、次に少しずつ要求を積み重ねていく手法のことです。
例えば交渉する時、なかなか相手が時間をさいてくれないケースも。
そんな時は、「まずは話を聴くだけで構いませんので…」などと小さなお願いをしてみてください。
次第に相手に受け入れてもらうことで、信頼されるようになり、スムーズな交渉に進みやすくなります。
心理学8:セルフ・ハンディキャッピング
セルフ・ハンディキャッピングとは、自分のふりを前もって相手に訴えることで、失敗した時の言い訳を用意しておく手法のことです。
例えば交渉の時、事前に「期待をしないでください」とあえて伝えておきましょう。
そうすると実際にうまくいかなかった時の予防線になるので、相手もがっかりしにくく、関係性が崩れにくくなります。
心理学9:ハード・トゥ・ゲット
相手を特別扱いすることで、相手から信頼を得る手法をハード・トゥ・ゲットと言います。
交渉の時に、「これは御社だけなんです」といった特別感を出すことで、相手は特別扱いされたことで嬉しくなり、自然と相手に好意や信頼を寄せてきます。
「あなただけ」という希少性を相手に感じさせることで、相手も交渉に前向きになりやすくなります。
心理学10:ラベリング効果
ラベリング効果とは、レッテルを貼り付けてその通りに誘導させる手法のことです。
例えば、「〇〇さんって本当にかっこいいですね。」と相手を褒めたとします。
そうすると褒められた相手は、次第に外見を意識しだして、おしゃれであろうとする行動をとろうとするでしょう。
ラベリング効果を交渉の場でも活用することで、「期待に応えたい」と相手は思うようになり、交渉がスムーズに進みやすくなります。
心理学11:親近化効果と初頭効果
物事のプラスとマイナス、伝えるべき情報が2つある場合はマイナス面を先に、相手の記憶に残したいプラス面はあとに言うことで、良い印象を与えることができます。
これを「親近化効果」といいます。たとえばある人(仮に山田くんとします)を評価する場合、
A:山田君は、いい奴だけど、ケチなんだ。
B:山田君は、ケチだけど、いい奴なんだ。
この2つのパターンではBの言い方のほうが好印象になります。また、就職の面接でも、
A:20ヶ国もの海外訪露の旅をしたので、学業成績は悪いです。
B:学業成績は悪いですが、20ヶ国もの海外放浪の旅をしていました。
当然Bのほうが好印象となるでしょう。
しかし、伝えるべき情報が複数ある場合は、印象に残したい言葉を最初に言います。
下にある女性についての評価を並べました。
A:美人・オシャレ・真面目・頑固・批判的・嫉妬深い
B:嫉妬深い・批判的・頑固・真面目・オシャレ・美人
この場合、Aが好印象、Bが悪印象に映る傾向が強いでしょう。これは「初頭効果」と呼ばれるものです。
初対面で相手のイメージが固まってしまうのも、この「初頭効果」によるものなのです。
「親近化効果」と「初頭効果」、情報量と話す順番を把握して、相手に与える印象をうまく操作しましょう。
心理学12:例え話
相手が言いたくないことがある場合、「一般論」や「たとえばの話」としてすり替えて話せば、核心まではたどり着けなくても、大方のアウトラインがつかめます。
A:一般論ですが、御社くらいの企業なら40代で年収1000万円は固いでしょう。
B:それは昔の話、今は役員でないと。せいぜい800万円台かな。
このように「一般論」と前置きしただけで、あらかたの年収レベルの見当がつきました。
また、わざと誤った話をぶつけることで、ホンネやヒミツがこぼれ落ちます。
A:「一般的に、こうした製品の原価率って10~15%ぐらいが業界の標準なんですよね」
B:「いえいえ、それは大きな誤解ですよ。この手の製品は内臓のマイクロモーターだけでも製品価格の5割近くを占めるので、かなりの高コストですよ」
と言う感じで、見当違いの話をされると、つい「訂正しておかなくては」という使命感から、様々な事情を話してしまうものなのです。
他にも「それホントですか?」とあえて相手の話を否定することで、より詳しい事実や経緯を聞き出す方法や、「ここだけの話なんですけど…」と、こちらから切り出すことで、相手から「お返し」としてのヒミツを引き出すという方法もあります。
まとめてみました
日本人には、あまり馴染みのない「交渉術」。
最初は経験が少ないため、なかなか自信を持って交渉に挑めないかもしれません。
しかし、経験のなさや自信のなさを気にする必要は一切ありません。
繰り返しますが、一番大事なのは、何をするにも「私はこの商品を売りたい」、「私はこの企画をやりたい」という自分の軸、アイデンティティをしっかり持ってくることで、少なくともやってみようという意気込みが大事です。
まずそれを持ってみて、多様な価値観を持つ人々と関わっていけば、自分では気づけないことに気付くことができ、視野が広がります。
そして交渉の場で、本当に相手と本当に話さなければいけないことを話せたとき、より深いところで人とのつながりができてきます。
視野が広く、幅もあって深みもある、縦横に器が大きい人材になっていくのです。
人間としての幅や視野の広さは、至る所に表れます。
上司から見ても、こいつは一つ一つの経験をとても深く広くしっかりと経験しているな、いろんなところに目が行き届くな、配慮があるなと一目置かれるようになるでしょう。
すぐに責任のある大きな仕事を任されるようになり、ほかの同世代の人達と大きな差がついているはずです。
交渉力は、あなたの無事ネス力を飛躍的にアップさせてくれるのです。
最近、交渉やコミュニケーションがキライ、そもそも人と関わるのが嫌いという人が多いのですが、交渉力が身に付くと、自然にコミニケーションしたくなりますし、交渉そのものを楽しめるようになります。
それは、ここにこんな経験にに行きたいと思って、旅行に行くのと同じです。
交渉にしても仕事にしても、この企画、この提案で何かおもしろいことがあるに違いないという感覚を持って準備し行動すれば、どんな形でもきっと冒険は起きます。
交渉が得意な人は、結果的に、ワクワクするような体験、おもしろい経験がたくさんできるはずです。交渉力をつけるという事は、あなたの未来が変わることだと信じています。
はい!!
今回で、「人を動かす交渉術」は、いったん終わりにしたいと思います。
また明日からは、別のお話しをしたいと思います。
また明日お会いできるのを楽しみにしております♪♪
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