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水瀬神奈
2023年8月13日 23:51
僕の連れが死んだ。染まりゆく薄紫の朝焼けの中、路上で死んだ。それを知った時刻は夜7時。電話が鳴り、見覚えのない電話番号に躊躇しながら出るとそれは連れの母親からの知らせだった。北海道の冬は凍死できるほど寒い。アルコールを浴びるように飲んで雪の中、酒の瓶を手にしたまま彼は冷たくなっていた。それを始発電車に乗ろうとした出勤途中の若い女性が発見したそうだ。僕の幼なじみだった岸間裕也君という青年は2