#049 砂肝生姜醤油漬け
出産を目前に控えた頃 一人で海外に出たことのない母親が 妊婦のわたしよりも重い腰を上げて まずは国内線を乗り継ぎ さらにわたしが住む台湾まで来てくれた時のこと
予定日当日のいつ産まれてもおかしくない状況で 母親に付き添ってもらいながら その日の夕飯の買い出しのためスーパーに出かけた
精肉コーナーで母親が手に取ったのは砂肝だった
母親は中国語は読めないが見た目でそれが砂肝だということがすぐにわかったらしい (わたしはそれまで生の砂肝を見たことがなかったので それが砂肝だということに気づかなかった)
母は砂肝を手に取り 「生姜ある?」と聞いてきた
生姜があれば一品おつまみができるということらしい
私たちは生姜一緒に買って帰ることにした
帰宅後 母はわたしを休ませて 慣れないキッチンに立つと手際よく調理を始めた
まず生姜を千切りにする(母曰くすりおろすと味が落ちるらしい)
砂肝は薄くスライスしたら 熱湯で30秒強 火は止めて色が変わったらザルに上げて粗熱をとる
酒、だし醤油、ポン酢を1/2:2:2の割合で混ぜておき 粗熱をとった砂肝と千切りにした生姜を漬ける
あっという間に出来上がったかと思ったら 「これであと数時間もすれば食べられるよ」って 「え、今食べられるわけじゃないの?」 とわたしは少々残念に思った
言われた通りおよそ4時間ほど寝かせてからついにそれを食す時が来た
口に入れると同時に感じる「美味しい!」新しいでも懐かしいでもないその味は違和感なくしっくりと舌に乗ってくる 生姜がいい 細ぎりにした生姜とだし醤油、ポン酢の相性が最高にいい 食感は言わずもがな the砂肝である 少しの抵抗を押し切っていくというかみごたえのあるあの食感だ
ここでビールをクイっといけないのが悔しい
このレシピを知ってからわたしがビールのお供にするようになったのはおよそ一年近い授乳期間を終えてからのこと
母は酒飲みでもなければ料理が得意な方でもない
しかし田舎のおなごたるもの 亭主の晩酌のつまみこそ作れなければならない みたいな風潮があったので 一応サクッと作り置きできるレシピはいくつか持ち合わせているようだ
わたしも料理は得意ではないけれど このくらいシンプルなレシピならやりやすい 晩酌のアテを自分で作るなんて わたしにとってはちょっぴり高い生ハムを買うより贅沢なことだ
これを機にお手軽おつまみレシピのレパートリーを増やして 日常をもっと味わえるようになりたい
皆さんの投稿記事から参考にさせていただこうと思う
#おつまみレシピ に寄せて
<レシピのまとめ>
生姜 千切り
砂肝 薄くスライスして 色が変わるまで熱湯にさらす(火は止めてOK)
色が変わったらザルにあけて 粗熱をとる
☆酒、だし醤油、ポン酢 1/2:2:2
粗熱がとれた砂肝と生姜を☆に漬けて 冷蔵庫で4時間程度寝かせる
分量やつけ置き時間はお好みで調節してください
砂肝の量に応じて漬ける液も同じ割合でそれぞれ増やしたりしてOKです
タッパーの中で砂肝がほぼ浸かるくらいの量で作ると味が均等になります
母親の手書きレシピにもほぼ目分量なので好みで調節して!と書いてありますゆえ、あくまでも参考までにどうぞ
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