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声明 地球サミット・リオ+30    2022/8/28シンポ・参加者有志の声明

リオサミット(1992年)から30年の今年、環境・社会活動を上野のNGOビルから考える―再エネ・省エネや社会の公正について語ろう!

2022年8月28日シンポ・参加者有志の声明
リオ+30をNGOビルから考える会
環境ウォッチTOKYO

私たちは、リオ+30年のZOOMシンポに参加し交流して、過去の日本の貢献の確認をするとともに、激化する気候災害や貧困問題への日本の方向性を停滞していることを早急に改善すべく、声明を発表します。
※最後部にダウンロード用PDFファイルのリンクがあります。


リオサミット(1992年)から30年の今年環境・社会活動を上野のNGOビルから考える 
―再エネ・省エネや社会の公正について語ろう!―

 2022年8月28日シンポ・参加者有志の声明

リオ+30をNGOビルから考える会
環境ウォッチTOKYO

 私たちは、リオ+30年のZOOMシンポに参加し交流して、過去の日本の貢献の確認をするとともに、激化する気候災害や貧困問題への日本の方向性を停滞していることを早急に改善すべく、以下、声明を発表します。

1. 今年は、国連が地球環境問題に初めて取り組んだストックホルム国連人間環境会議(1972年)からは50年。水俣病患者も参加し「ミナマタ」として世界に知られたことは大きな感銘力があったと思います。
 これを受けて1972年UNEPが作られ、1981年UNEPの総会において、鈴木善幸首相(当時)が提唱し資金提供を約束したことにより、「環境と発展に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が立ち上げられました。
 その報告書『われら共通の未来(Our Common Future)』が1987年に公表され、その中で持続可能な発展概念が採用されました。
 この報告書を受けて、ストックホルム会議の20周年として、1992年にブラジルで国連環境開発会議(略称リオ・サミット)が開かれました。
 リオ・サミットでは「環境と開発に関するリオ宣言」がされ、「持続可能な発展」・南北諸国間の均衡・貧困克服の考え方等が採用されました。国連気候変動枠組条約、生物多様性条約の各国の署名もこれ以後開始ました。
 リオ・サミットには、日本からも様々な市民も参加し、その後、日本で様々な環境保全や貧困克服を目指す法制度・社会的運動が広がりました。翌年の環境基本法でも持続可能性が基本理念として示される(4条)など、影響をもたらしました。
 私たちは、地球環境問題・世界の格差改善について、上記のように日本が重要な歴史的役割を果たしてきたこと、リオ+5年に当たる京都会議では全国のNGOが集結して京都議定書の成立に向けて活動したこと、大手会社ともコラボしながら進めてきたことを、当時から活動してきた人達のお話から理解を深めました。その後も世界でパリ協定・カーボンバジェットの考え方による排出許容の上限が示されるに至り、民間もグローバルコンパクトなどの国際的な流れなどを受け、環境報告書からサステナビリティ報告に発展し情報開示・公開を推進する基盤となりました。
 また、リオ宣言やその後の貧困撲滅等に関するMDGsの流れと先進国も対象にした取組を組み合わせたSDGsの策定や目標との関係、目標年度などを確認しました。

2. 日本も、太陽光・半導体・海底直流送電などの技術で世界最先端だった時期が1990年代などにあり、四大公害裁判の被害者勝訴判決が世界の公害環境改善・人間環境会議の成果などに強い影響を与えたこと、海外支援も世界1,2だった時期があることを確認しました。
 また、日本の再エネポテンシャルの高さは、今の電力需要約1兆kWhの7倍にも上り(環境省調査)、「再エネポテンシャル大国」であることを確認しました。

3. ところが、リオ+30年を迎え、世界の気温はすでに工業化以前から約1.1℃上昇しており、気候難民は2000万人を超え、餓死者も多数出て、早急に改善が必要であり、世界は大きく舵を切っています。日本も、過去の経緯や「再エネポテンシャル大国」であること等からしてより大きな変革が可能なはずです。しかし、再エネ普及率が先進国の中で極めて低く、再エネ大量導入の為の制度改革が進んでおらず、むしろ、石炭火力維持・新設や原発再稼働・新設など政治のリーダーシップが逆方向を向いています。
 気候変動対応の失策は自国だけでなく他国での災害の影響も受けることから、世代をまたがった私たちは、まずは、日本の石炭火力維持・新設や原発再稼働・新設を避けることを強く求め、リオ原則等に基づき情報開示を進め、市民の意見を政治的決断に組み入れることを強く求め、なお一層、NGO,NPOがより活動しやすくなる法制度、訴訟制度作りを求めます。

有志 (50音順)

  • 明日香壽川 (東北大学 環境科学研究科 環境科学政策論 教授)

  • 稲場雅紀  (アフリカ日本協議会・共同代表兼国際保健部門ディレクター)

  • 牛島聡美  (環境ウォッチTOKYO代表、弁護士)

  • 河石良太郎 (気候訴訟ジャパン)

  • 黒部睦   (Fridays For Future Tokyo)

  • 後藤敏彦  (環境ウォッチTOKYO電力問題座長、環境監査研究会代表幹事、サステナビリティ日本フォーラム代表理事)

  • 田中徹二  (環境ウォッチTOKYO副代表、グローバル連帯税フォーラム事務局)

  • 都筑 建  (自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)代表理事、認定NPO法人太陽光発電所ネットワーク(PV-Net)代表理事)

  • 都甲公子  (環境ウォッチTOKYO副代表 こだいらソーラー理事長、市民電力連絡会事務局長) 

  • 桃井貴子  (気候ネットワーク東京事務所) 

  • 八尋英昭  (SHARE事務局長) 


リオ宣言 (抜粋)

第1原則 人類は、持続可能は開発への関心の中心になる。人類は、自然と調和しつつ健康で生産的な生活を送る資格を有する。

第3原則 開発の権利は、現在及び将来の世代の開発及び環境上の必要を公平に充たすことができるよう行使されなければならない。

第4原則 持続可能な開発を達成するため、環境保全は、開発過程の不可分の部分とならなければならず、それから分離しては考えられないものである。

第5原則 「すべての国及び国民は、生活水準の格差を減少し、持続可能な開発に必要不可欠なものとして、貧困の撲滅という重要な課題において協力しなければならない。」

第8原則 各国は全ての人々のために持続可能な開発及び質の高い生活を達成するために、持続可能でない生産及び消費の様式を減らし、取り除き、そして適切な人口政策を推進すべきである。・・・・    

第 10 原則  環境問題は、それぞれのレベルで、関心のある全ての市民が参加することにより最も適切 に扱われる。国内レベルでは、各個人が、有害物質や地域社会における活動の情報を含め、 公共機関が有している環境関連情報を適切に入手し、そして、意志決定過程に参加する機会 を有しなくてはならない。各国は、情報を広く行き渡らせることにより、国民の啓発と参加 を促進しかつ奨励しなくてはならない。賠償、救済を含む司法及び行政手続きへの効果的な アクセスが与えられなければならない。 

◉ 以下はシンポジウムの声明文PDFファイルです。

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