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ワクワクできる、韓国発・アメリカ在住の子育て体験談。『3人の娘をハーバードに合格させた 子どもが自ら学びだす育て方』

今回紹介する本、タイトルを見てこんなふうに思った人、いるんじゃないでしょうか。

ハーバードなんて夢みたいな話。
高尚な育て方っぽくて、しんどそう。
それとも、お金をかけてあれこれしないといけない?
そんなの、うちには無理!

それ、全部違います!

この本は、ハーバード大学に合格するノウハウを書いたものではなく、
ひとりのママが3人の娘に実践していた、
子どもが楽しく勉強できる環境と心を育てていくための、親の心得を学ぶ本

ハーバード進学は、あくまで3人の娘たちがそれぞれに考えた結果であって、親が描いたストーリーではありません。
むしろ著者のシム・ファルギョン氏は、このように述べています。

一番重要なのは、親は自己実現の主体ではなく、助力者にすぎないことを認めることだ。子どもを愛するがゆえに、この事実を認められないとしたら、その子は大人になっても自分の人生を主体的に生きることができなくなってしまう。

本文より

つまりこの本は、「子どもをハーバードに行かせたい!」が出発点なのではなく、「子どもが主体的に人生を生きるための手助けをする」本なのです。

さて、著者の名前でもお分かりかと思いますが、この本は日本発ではなく、韓国人の著者、それもアメリカに移民して子育てをしたママが書いています。
ますますうちと縁遠そう……と思うかもしれませんが、実際はその逆です。

著者の家庭はアメリカでいわゆる「低所得者層」に属しており、かつアメリカの人種のるつぼの中にあって韓国人は人脈も少ない「マイノリティ」です。
そうした中でも、親ができる範囲の教育を与えようと実践した、さまざまな奮闘が書かれています。

それはアメリカでなければできないわけではなく、例えば「たくさん本を読み聞かせる」とか「子どもが興味あることを学べるようサポートする」とか、日本でも充分に実現可能なものばかりです。

もちろん、多様なボランティアやサマースクールなど、アメリカだからこそできる教育法も取り入れられていますが、ベースにあるのは韓国人としての教育哲学。

「親の権威を保つ」「子どもの自由に制限を設ける」などの考え方は、日本人には比較的共感しやすい教育方針ではないでしょうか。

そのほかにも、しつけの大事さ、グローバル社会にあってのアイデンティティの保ち方、母語と第二言語との付き合い方など、欧米発の教育本にはあまり見られないトピックがふんだんに盛り込まれています。
目次だけでも、その独自性を感じられるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、この本はハーバード大学に合格するためのノウハウを書いた本ではありません。
また、こうすれば子どもが賢くなる!というテクニックを書いたものでもありません。
一人のママが自らの教育哲学を実践していたら、3人の娘は夢を追ってハーバードに進んだ、という体験談です。

しかしその体験談を読んでいるうち、自分の子供にはこうしようかな、こんなアレンジならできるかな、とワクワクが膨らんでいきます

難しい育児論ではなく、「あっこのやり方いいかも!面白そう!」が見つかる本です。
ざっくり幼児期から高校生まで、子どもの年齢層ごとにパートが分かれているので、小さいお子さんがいる方でも手に取ってみてくださいね。

(文=安岐はづき)

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