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黒澤明『乱』の鑑賞備忘録

こんにちは! かにまろです。

黒澤明監督の『乱』を見ましたので、メモとして内容などを残しておきます。

特に考察というわけではないのでお役には立たないかもしれませんが、何かのご参考になれば幸いです。



あらすじ

戦国時代、猛将一文字秀虎は3人の息子のうち太郎に家督を譲る。
三郎は兄弟で血で血を洗う家督争いになると進言したが、秀虎は激怒して三郎を追放する。追放された三郎は、領地を隣にする藤巻に婿入りすることに。

太郎は、正室の楓にそそのかされ、秀虎の馬印を秀虎ではなく自分の手元に置こうとする。それをきっかけに家臣同士での小競り合いが発生し、秀虎は太郎の家臣1人を射殺す。太郎は秀虎に自分に従うように署名血判させるが、秀虎は激怒して家臣を引き連れ次郎の居城に身を寄せる。

だが、次郎もまた家督を望んでおり、秀虎の家臣が場内に入るのを許さなかった。秀虎は失望して、三郎がいた城に入る。
そこへ太郎と次郎が攻め入り、家臣を皆殺しにされる。秀虎は気がふれ、身一つで野原に出ていく。付き従うのは、ずっとそばにいた道化の狂阿弥のみ。

次郎は太郎亡き後、楓を妻に迎えて家督を継ぐ。

三郎が自軍を率いて秀虎を迎えに来る。同時に藤巻軍と、同じく領地を接する綾部の軍が様子をうかがっている。楓に焚きつけられた次郎は三郎の軍を責めるが、同時に綾部軍が攻め入ってくる。次郎が城に戻ると、楓は父親を秀虎に殺されており、一文字家が滅ぶことを望んでいたと明かす。

三郎が自軍を率いて秀虎を探し出す。馬上で談笑するものの、三郎は次郎の手下に射殺される。それを見た秀虎も、悲しみの余りその場で死んでしまう。

「神や仏もいないのか」
「殺し合わねば生きてゆけぬ人間の愚かさは、神や仏も救う術はないのだ」

演出

仲代達矢さんの演技がめっちゃいい。目力があってとても迫力がある。

テーマ

映画最後のセリフがテーマそのもの。
人間とは愚かしいものである。

息子たちの情を信じた武虎が愚かだった。
楓や、太郎の末の方と弟の鶴丸は武虎によって苦しめられた過去がある。
武虎もまた、息子たちに裏切られてその過去に苦しめられることに。

争いは、争いと悲しみを生む。

メモ

  • シェイクスピアの『リア王』が元になっている。

  • 狂阿弥が、ひたすら暗くなりがちな中で道化を演じることでテンポを作ってくれている。

画像:作品より引用

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