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カニを求めて徳之島 #2
きょうは、まず徳之島の北部
カニをモチーフとした屋敷神の石を探しに行く。
友人が教えてくれた写真集に載っていたものだ。
手がかりは、松原という集落。
この写真集が出された当時
区長をしていたMさん(苗字のみ記述)のお宅の庭に
カニの屋敷神さんが祀ってあったという。
松原という地区に入ると
農協があったのでそこで尋ねてみることにした。
レジのお兄さんにカニの石の写真をみせて
手がかりはないか聞いたところ
「うーむ」と唸って
ちょうどそこに買い物に入ってきたお兄さんに
島口で声をかけた。
すると、
そのお兄さんは知っているようだ。
「もう何十年も前に区長をしてたMさんは2人知っている。
松原という集落は広くて、
山の上の地区と、自分たちの住んでいる平地の地区とあり
それぞれの地区に区長をしていたMさんがいる」という。
「連れていくからちょっとだけ待って!」
お兄さんはそう言って、
牛の鼻輪やロープを買っていた。
徳之島の農協は牛グッズが豊富にあっておもしろい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83963642/picture_pc_47e742558841e7e07c6042e4475b6e81.jpg?width=1200)
まずは、近くのMさん宅へ。
昔区長をしていた方は亡くなられ
今は家を人に貸しているという。
古い井戸のある大きなお家だったが、
住人の方はカニの石は見たことがないという。
案内してくれたお兄さんも
子どもの頃から遊びに来ていたが
見たことがないと言う。
ここではなさそうだという結論に。
次に上の地区のMさんのお家へ。
こちらは90数歳のご長老で
文化的なことをいろいろ知っている方だという。
しかし、お留守。
敷地内には【文化財ミニ資料館】という看板がかかった倉庫がある。
開いた扉からそっと覗くと、
昔ならがの農具などが保存してあるようだ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83970675/picture_pc_dc8da9a4c2cd8da88010e95597141c43.jpg?width=1200)
「ここの長老は昔の話するのも好きだから
いろんなこと知ってると思ったんだけどね。。。」
家の周りの様子から入院中かもしれないと。
一応状況を調べてくださるそうだ。
お会いできなくてとても残念だ。
案内してくださったお兄さんはTさんと言う。
Tさんは、昔教育委員会にも勤めたことがあり
文化財などの調査にも関わったことがあるのだという。
だから、こんなわたしのカニの調査にも
興味を持ってくださったのだ。
しかし、これまで、
カニ信仰は聞いたことがないし
カニの石も見たことがないという。
そうなると、ますます
このカニの屋敷神の石を
みつけたくなるではないか。
また何か手がかりがあれば
ご連絡いただくことにして
ここでお別れした。
カニサマのお導きのような
偶然の出会いがうれしかった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83970262/picture_pc_9c883041673dc746729aa06cbfe8c9ca.jpg?width=1200)
Tさんとお別れした後、
その地区にある松原神社に立ち寄ってみた。
霧雨が降ってきて
しっとりと幻想的だ。
神社の入り口に【フルゲンゴーイジュン】
と言う看板と矢印があった。
フルゲンゴーイジュン!
すごく聞いたことがあるぞ
どこで聞いたのか!?
「フルゲンゴーイジュンは焼酎の名前じゃない?」
薫ちゃんが思い出してくれた。
そうだ!
うすく色のついたわたしが好きな
徳之島の焼酎だ。
一気に親しみを感じる。
フルゲンゴーイジュンは古源神泉と書き、
小さな水場だが
とても気持ちのよい場所だった。
お参りしてお水をもらう。
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立ち去ろうとした時
カニが目に入った!
よくよくみると何匹も!
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83973226/picture_pc_ec2d13fbe3803111492cdc87d7a7d805.jpg?width=1200)
カニサマに祝福されているような
ありがたい気持ちになる。
カニサマカニガトウ!
出会えたお礼に
カニ口説を歌った。
隣の松原神社は
琉球のノロ神である聞得の大君が祀られている
珍しい神社だった。
丸い玉が印象的だ。
水と天と火、
自然の要素を象徴しているのだそうだ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83973487/picture_pc_695ec56f7005bd36a8314dcc7e0d1028.jpg?width=1200)
丸い玉といえば、
屋敷神のカニも玉のようなものを持っている
(このnoteの表紙写真)
昨日の三京坊主さまも玉を持っていた。
丸い玉が何を意味しているのか
カニがつついている玉
三京坊主さまが大切そうに持っている玉。
そこには玉の秘密があるのかもしれない。
気がつけば
もうお昼近い。
湿度も高く風もなく
暑くてだんだんバテてきた。
カニの屋敷神石は
出会うまでに
根気がいるかもしれない。
さあ、クーラーの効いた車に避難して
次なる場所へ。
「カニにはなかなか出会えない〜」
と歌いながら車を走らせると
ガードレールにカニがいた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83975192/picture_pc_b20a3d7804c39b9468f1b4b801eb6169.jpg?width=1200)
(カニを求めて徳之島#3 に続く)