春のミニカニ講座③「語る」登場物になって語りました。
2023年3月23日は、ミニカニ講座③「語る」でした。
わたしが今日の題材に選んだのは
「スディル(巣出る)=脱皮のこと」に関わる昔話です。
「スディル」とは脱皮のこと。
かつて南東では、脱皮すると若返ると考えられており
蛇やカニ、蝶など脱皮する生き物は
不死の象徴として神聖視されていました。
それが、昔話では、もともと人間も
脱皮していたというのです。
人間が脱皮していた頃の様子が描かれた
宮古島の昔話があったので
その部分をご紹介しましょう。
とてもおもしろい。
人間が脱皮して不死だっただけではなく
猫や犬や蛇などに自由に化けられたというのだ。
宮古島には、このように
蛇と同じように脱皮していた人間が、何らかの理由で
脱皮できなくなったというお話が
色々なバージョンで残っている。
奄美の昔話ではなかなか少なかったが
ひとつ徳之島で聞き取られたものが見つかったので
今回はそのお話を題材に使った。
人間が脱皮できなくなり
ハブとサルスベリとヘビとカニが
脱皮できるようになった顛末が記されている
「脱皮」というお話である。
ミニワークでは
この昔話の中の気になる登場物になって
身体を動かしたり
文章を書いたりして
最後は書いたものを声に出して
語っていただいた。
わたし自身は脱皮ができた頃を経験している人間を選んで
ワークをしてみたのだが、
脱皮をした後のとても生き生きとした新鮮な世界を
みてみたいと感じた。
それはこの世にいながらも見ることができるものだとも感じた。
でもそれ自体が、殻の中の世界の話なのかもしれないと、
次々といろいろなことを思った。
今回印象に残ったのは
参加者の方が
ミニカニ講座に参加してきて
「生まれる」ということよりも
「死ぬこと」の方に
目が向いてしまう自分に気がついたと
おっしゃったこと。
「死ぬということは
ただ終わりなのではなく自由であること。」
(正確ではないかもしれないが)
そんな言葉を聞きながら
なにかなつかしい大切なことを
思い出しそうな気がした。
なにかもう少しで思い出しそうな
もどかしい感覚。
カニワークをしていると、
どうしても命という領域に関わってきてしまう。
いのちという視点から
今ここにいる自分を眺めるような。
カニはその辺の地図に詳しくて
道案内してくれる生き物のように思えてきた。
きょうも濃厚な時間を
ありがとうカニガトウございました。
次回23日のミニカニ講座は「うたう」。
かつて島では、言葉やうたに呪力をこめる文化がありました。
魔除けのうたのひとつにもカニのうたがあります。
今回は、南島で使われていた呪言という切り口から
無意識の波打ち際を遊んでみようと思います。
単発参加の方もカニ初心者の方も大歓迎!
どうしようかなーとか
カニだしなあーとか迷い中の方
ぜひお申し込みください。
↓
イベントページ
https://fb.me/e/147qAOJpy
* * *
《春のミニカニ講座》第4回3/30 「うたう」
かつて島では、言葉やうたに呪力をこめる文化がありました。
魔除けのうたのひとつにもカニのうたがあります。
今回は、南島で使われていた呪言という切り口から
無意識の波打ち際を遊んでみようと思います。
*会場 オンライン(お申込みされた方にお知らせします)
*日時 3月30日 木曜日 20時から21時
*参加費 1回1500円
*お問合せ•お申込み
ohisama.utaoto⭐︎gmail.com(あおきさとみ)←⭐︎を@に変えてください
メールにて、以下の4点を記入しお申し込みください。
①お名前、②メールアドレス、③お電話番号、④お申し込みの日程
【案内役】あおきさとみ(カニアーティスト/表現アートファシリテーター)
奄美大島在住。石川県出身。東北大学卒業、大阪市立大学大学院修了後、関西を拠点に、音楽活動と心理職の二足の草鞋で活動しながら、沖縄、バリ、メキシコやペルーなどシャーマニズム文化の残る土地を旅する。2015年奄美大島に移住。2022年表現アートセラピー研究所トレーニングコースを卒業。現在は、臨床心理士として教育現場に関わりながら、奄美で出会うカニの民俗文化を探究し、そこから着想を得たワークショップや、絵や音楽などの表現活動を行っている。わかりやすく無駄のない目に見えるものばかりが重視される社会の中で、生き物としての人間を取り戻し、みえないものをみる豊かさを、みんなと一緒に味わいたい。
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