ダウンタウンの2人にしかわからない間合い
この世でいちばん大好きな芸人ダウンタウン。ダウンタウンが大好きな私にとって、今週はたまらない2人の間合いを目撃した興奮冷めやらぬ瞬間があった。
その直後、吉本興業から劇場の無料生配信のニュースが舞い込んで、さらに興奮がピークになったので、ここに記念として書くことにした。(数日前に劇場中止のニュースがあったから尚更である。)
約25年前から、ダウンタウンの2人が大好きである。きっかけは「ダウンタウンのごっつええ感じ」から始まった。
「エキセントリック少年ボウイ」「日影の忍者勝彦」のCDも買ったし、「ダウンタウンのごっつええ感じ完全大図鑑」も買った。
完全大図鑑は、小学生の時に本気で欲しくて手に入れた思い出がある。学校が終わった足で近所の本屋さんを数軒探し回り、どこにも見つからず、結局最後に行った初めて訪れた本屋さんで、ドキドキしながら初めましてのおばちゃんに取り寄せしてもらったことを覚えている。
冒頭の話に戻る。
そんな大好きなダウンタウンが今週、2人だけの間合いをハッキリとした形で見せてくれた。貴重な瞬間と言っていいと思う。
ダウンタウンは、「ガキの使い」で立ちトークを最近めっきりやっておらず、2人だけの掛け合いはもはやほとんど見かけない。レギュラー番組はMCが多く、番組を回すポジションにあるためゲストとの絡みが多い。大晦日の「笑ってはいけない」でも、なかなか2人だけの掛け合いは見られない。
だからこそ、2人だけの間合いをまじまじと見られる瞬間は貴重そのもの。
今週その瞬間は2回訪れた。ファンからすると生唾もんである。
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1つは、「ガキの使い」での「チキチキかぶらず歌い切り第2弾!Runner」という企画でのこと。
爆風スランプの「Runner」を芸人10人がカブらずに歌い切る企画に挑戦する内容。歌い出しからサビまでの歌詞を10個に区切り、何の打ち合わせもないまま順番を決めずに歌い始める。出たとこ勝負で挑戦するので、誰も歌わないこともあれば、一気に3人が歌ってしまうこともある、かなり難しい企画。
一向に3フレーズ目までたどり着けない時間が続く。
何度も失敗を重ねていくと視聴者も気づき始める展開が訪れる。いわゆるヤラセではないけれど、運と空気を読む勝負になってきていることに。
ココリコ遠藤が、しばらく一度も歌っていないことに松ちゃんがツッコみ、遠藤は否定せずそれを受け入れる。ハッキリとは言わないが、おそらくこの掛け合いで最後の10フレーズ目は遠藤が歌うことが空気感で出来上がっているように読み解ける。
25回目のチャレンジのこと。24回目のチャレンジで誰も歌わないことで失敗に終わり、松ちゃんが放つ。「行かずに後悔するくらいなら行った方がいい」
その直後の25回目の歌い出しはダウウンタウンの2人だけが歌い始める。25回目のチャレンジは失敗に終わり、松ちゃんは「細かく言えば今のは全員行くパターン」と言い放つ。
ここで松ちゃんと浜ちゃんは無邪気に笑っている。この瞬間がとにかくたまらない。
つまり、24回目の松ちゃんの「行かずに後悔するくらいなら行った方がいい」は、25回目は「全員行けよ」というダウンタウンの方程式があり、松ちゃんも浜ちゃんも25回目は歌い出したのだ。
そんな中、1時間50分の挑戦時間が経過し、160回目にしてチャレンジ成功の瞬間が突然訪れることになる。
その160回目でも、2人の空気の読みがあり成功に繋がった。
最後の最後までダウンタウンと遠藤が残ってしまうことになる。最後の10フレーズ目は遠藤と決まっている阿吽の呼吸だとすれば、8フレーズ目と9フレーズ目は松ちゃんと浜ちゃんのどっちかが歌う。
そうなると、もはや2人の呼吸の中でしかわからない。そこに2人の信頼が見て取れる。そして、2人はかぶることなく歌い、遠藤へバトンを繋ぐ。
無事に成功し大盛り上がりする全員の中、松ちゃんと浜ちゃんは目を合わせながら、この160回目の件を無邪気に楽しそうに感想を言い合っている。
もう1つは、「水曜日のダウンタウン」でのこと。
松ちゃんがつい言い間違えをした瞬間、周りのゲストを他所に、浜ちゃんはそれを見逃さず、問い詰め続ける。距離も相当近づいていく。
この瞬間、松ちゃんと浜ちゃんはまたしても無邪気に笑うのである。
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伝説の「ごっつええ感じ」のコントの中でも、2人だけの掛け合いがあり、「ガキの使い」の立ちトークでも2人だけの掛け合いがあり、2人にしかわからない間合いでケラケラ笑い合う瞬間はたくさんあった。
ベテランになれば、劇場で見ることも少なくなり、MCをつとめる番組も多くなる。
2人だけにしかわからない間合いで笑いが起こり、ケラケラ無邪気に笑い合う瞬間は、今となってはとても貴重になってしまった。
松ちゃんは天才だしとてもとてもおもしろいけど、浜ちゃんとの掛け合いや間合いは、やっぱり唯一無二で後輩芸人との絡みでは絶対に見られない笑いだと思う。
きっとそれは、2人が同級生で友達だったという過去があるから、垣間見れる瞬間なのだと思う。
いつか、劇場でダウンタウンが戻ってくることを切に願う。
そう期待しながら、明日からの吉本興業の劇場生配信を拝むこととしよう。
ちなみに、私の座右の銘は「笑う門には福来たる」
辛い時こそ笑顔でいたいし、笑っている瞬間は嫌なことも吹き飛んでしまう。だからダウンタウンが大好きだし、お笑い、芸人さんが大好きなのだ。