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「嫉妬」と「格差」の時代を生き抜くための「松本清張」(No.1057)

考える人 メールマガジン
2024年5月2日号(No. 1057)

さようなら、ハリー
――編集長のイチオシ

 その訃報が届くまで、当欄に記すつもりだったのは、村井理子さんの連載「村井さんちの生活」が、3月19日配信の回をもって100回を迎えたことでした。

 2016年4月にスタートした連載は翻訳家の村井さんが、琵琶湖畔での暮らしを綴ったもの。双子の子育てや突然の入院騒ぎ、そして義父母の介護など、たびたびハプニングに見舞われながらも、ユーモアたっぷりに日々を描くその筆致に多くの共感が寄せられ、瞬く間に人気連載となっていきました。

 そんな村井家にとって忘れてはいけない存在が、愛犬のハリーです。その「黒ラブ」がやって来たのは約7年前。それからというもの、ハリーは嬉しそうに琵琶湖で泳いだり、傷ついた家族にそっと寄り添ったり、主役級の活躍を見せてきました。子犬だったハリーは、50キロを超える大型犬に成長し、その存在感はますます大きなものに――。

 そんな矢先に飛び込んだのが、悲しすぎる訃報です。

「村井さんちの生活」連載101回目は、誰も望んでいなかった「さようなら、ハリー」です。どうぞ安らかに。

(編集長・金寿煥)(「波」2023年5月号より)

第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞記念
出口治明×ヤマザキマリ×とり・みき
「マンガで歴史を描くということ」

ヤマザキマリ&とり・みきが、魅惑の古代ローマの世界を描くマンガ「プリニウス」が、第28回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞!

受賞を記念して、「作品の大ファン」という出口治明さんと、作者ふたりの鼎談「マンガで歴史を描くということ」を公開いたします。

「恐山の禅僧」南直哉さんの連載が、
新書『苦しくて切ないすべての人たちへ』として発売中!

「考える人」で連載していた南直哉さんの「お坊さんらしく、ない。」が、『苦しくて切ないすべての人たちへ』と改題、新潮新書から2024年4月17日に刊行されました。

 本書は、悩み苦しみながら生きている人たちに向けた、「恐山の禅僧」からの30のメッセージです。「生きているだけで、大仕事」を合言葉に、「仕方なく、適当に生きる」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、心の重荷を軽くする後ろ向き人生訓。死者に会うために辺境の霊場を訪れる人々、逸話だらけの修行時代、よい宗教とわるい宗教など、仏教の智慧をベースに、人々の苦しみの根源である「生老病死」に本音で寄り添います。

連載の第1話「「老師」はつらいよ」をこちらから試し読みできます。

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秋の遍路道を彩る曼殊沙華、軒先に揺れる凌霄花。
「陽光は等しく人生の海に注がれるが、光明は苦海にしか差さない」
海まではもう少し――。

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