セクシー美女が知識も兼ね備えてたら最強じゃない?『キューティ・ブロンド』感想
あらすじ
ブロンド巨乳女子大生・エルは、政治家志望の恋人から別れを切り出されてしまう。理由は「ブロンドは議員の妻に相応しくないから」。
エルは一念発起して、恋人と同じハーバードのロースクールを志望、なんと合格してしまう。これでヨリを戻してもらえる、と思いきや彼にはすでに家柄のいい婚約者がいた。
ハーバードではエルのファッションも振る舞いも、全てが浮いてしまう。味方がいない、でも諦めない。彼を取り戻すために、勉強して知的美女になってやる!!!
おすすめポイント
エルがとにかく前向きでかわいい。
感情豊かで表情がくるくる変わって、とても魅力的。そのひたむきさに、思わず応援したくなること間違いなし。
人生には自分で予想だにしなかった道が開けることもあるんだなあ。まさにピンチはチャンスだね。
コメディなのでハッピーエンド確実、何が起こっても安心して見られるところもいい。
【前提知識】ブロンド差別とは
海外ではブロンドヘアの女性は、「かわいいけど、すごい馬鹿なビッチ」という固定観念で見られることが多い。
「ブロンドジョーク」という、ブロンドの女性を馬鹿にしたジョークもたくさんある。例えばこんなの。
それくらい「ブロンド=馬鹿」というイメージが根強く、それを逆手にとったのが本作『キューティ・ブロンド』と言える。
「馬鹿なブロンド」という差別的視線を向けられながらも、逆境に負けず奮闘するエルはかっこいい!
自分では想像しなかった道に行ける幸運
エルは田舎のお金持ちの家のお嬢様。
そこではファッションや恋愛が全てで、そこで暮らす人々の頭には「ハーバードに行って法律家になる」なんていう道は存在しない。
エルは本当にたまたま「法律家」という道がひらけたけど、将来の選択肢ってかなり環境依存なとこあるよね。
あのまま田舎で過ごしてたら、エルは「かわいいお嫁さん」以外の目標なんて持てなかったかもしれない。
今はかなり自由な社会になったとはいえ、住んでいる地域の文化、両親の学歴や職業、自分の性別や障害の有無などによって、将来の選択肢はかなり狭められる。
実質的には生まれ育った環境が未来を決めているようなものだ。
そう思うとエルはかなり幸運だ。
自分の力で生きていく道がひらけて、不可能を可能にする能力もあって、「自分では想像できなかった道」をつかむことができた。
将来の選択肢って限りなく無限大なんだけど、遅くとも10代前半まででそれに気づけるかでその後の人生決まっちゃうの、怖すぎるな。
おわり
キュートでポップなエルが印象的な本作、『キューティ・ブロンド』。
ブロンドや女性への差別的目線を描きながらも、それを跳ね除けていくエルに勇気をもらえる。
元気な気持ちになりたい時に特におすすめする。
法律家となったエルは、きっとその明るさで司法の闇を照らしていってくれることでしょう!