田んぼに落ちた高校生
これはノンフィクションの話。
私はその当時女子高生。
市内から離れた、とある田舎に住んでいて
家の周りを田、畑、山、川、海に囲まれていた。
(田舎要素をめでたくコンプリート!!)
通学路が田んぼの真ん中にあるため、
部活帰りの夜道は、ポツリとある街灯のみが頼り。
足元も危うい、数メートル先はよく見えないような道を
毎日帰っていた。
そんなある日、事件は起こる。
新しい通学用のリュックをスマホで探しながら
その細い田んぼ道を帰っていた。足下を見ながらスマホの画面に集中するなんて器用なこと、私にできるはずがない。
案の定、足を踏み外し、すぐ隣のぬかるんだ田んぼの中に
右足が吸い込まれていった。
その後、何が起きたか分からないまま、
右足をとられたことで体は右に傾き、そのまま右半身が全て泥の中に埋まってしまった。気づいたら埋まっていた。
慌てて道に上がろうとするが、ドロドロになった制服は重く、やっと抜けたと思ったら右足のローファーが
田んぼに突き刺さったままオブジェのように光っていた。
私これでも女子高生なのに!!!
そんな情けない感情を抱き、半泣きになりながら玄関のドアを開けた。迎え出てくれた父が笑ってくれたことが救いだった。今でも鮮明に覚えているこの記憶の教訓、
歩きスマホ!絶対に!ダメ!!!!