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#73 「文章を書く」って難しい!

今年noteを書き始めて、このことを痛感しています。

自分にとって「文章を書く時」には次のようなフェーズがあると思っています。

1 自分が読むための文章を書く
2 人が読むための文章を書く
3 人に読んでもらえる文章を書く
4 人の生き方に影響を与える文章を書く

人に食べてもらう「料理」と同様で、人に読んでもらう「文章」を書くのってものすごく難しいものだなと感じています。

先ほど紹介した1~4について説明してみたいと思います。



1 自分が読むための文章を書く

これは、私の言いたいこと、頭の中で思ったことをダラダラと書いている文章です。

自分が「忘れないため」のただの記録です。
正直、私の場合、この状態の文章は人には見せることができません。

文の読みにくさもありますし、言葉も選んでおらず「読んでもらう形」になっていないので、相手を不快な気持ちにさせてしまったり、誤解を招いたりする不安があるからです。

何より、自分の「文章力の拙さ」を露呈してしまうのが恥ずかしいという部分が大きいです。

(もっとも、このような自分に向けて書いたメモのような文章でも、読者をぐいぐい引き込むような面白い文章を書ける人もたくさんいます。)



2 人が読むための文書を書く

そこで、1のようなメモから、自分の考えを整理して、言葉や順序を意識しながら、相手に読んでもらえるように体裁を整えるようにしていきます。

私は職業柄、誰かに向けて文章を書く機会はどちらかと言えば多い方なのかもしれません。

レポートやお便りなど、事実や自分の考えを並べて、文章を書くことは結構やってきたと思います。

しかし、ただ事実を羅列したり、自分の言いたいことを説明的に並べたりしてそれっぽく文章が書けていたとしても、

それが「人の心に響く文章なのか」と言ったらそうでもなかったりします。

若い頃は、「いい指導案を書くぞ」なんて意気込んで、A4用紙10枚以上の原稿を書いたりしていましたが、今振り返るとそれが本当に「いい文章」だったのかなと疑問が残ります。

結局それは読んでいる相手のためではなく、「自分のために書いていた文章」だったのではないかなと反省しています。



3 人に読んでもらえる文章を書く

1、2の反省から、文章は「読んでもらう相手のことを第一優先にしないといけない」ということを10年前くらいから意識し始めました。

「でも読んでくれる人のことを意識した文章って何だろう?」と思った時、正直、最初はよくわかりませんでした。まず読んでくれる人のために

・改行をする。
・図をいれる。
・言葉を簡潔にする。
・一文を短くする。
・難しい言葉を使わない。
・言葉の重複を避ける。
・修飾語は説明したい言葉の近くに置く…

みたいな基本的なこともそうですが、いろんな本を読んで「この人の文体は好きだな」というものを徹底的に分析して自分なりに読みやすい文章を考えるようにしました。

今、自分が「読む相手」のために意識していることは
・役に立つ情報を入れる。
・「あるあるネタ」や失敗談を入れる。
・読者への質問を入れる。
・選択肢をつくる。
・理論と具体例を入れる。
・最後に可能であればオチを入れる…

などを意識しています。もちろんいつもできているかは別ですが…

この辺りを意識するようになってから、自分の文章が生きている(?)血の通ったものになってきたなと感じるようになりました。

自分勝手かもしれませんが、人に読んでもらうことを意識することで、読む人と自分の間に「対話」が生まれるのかなと思うようになりました。

いつもこのような文章を書けているか分かりませんが、読む相手のことを以前より確実に意識するようになりました。



4 人の生き方に影響を与える文章を書く

これは本当に難しいことで「お前ごとき素人が何を言っている」とお叱りを受けそうですが、

学校のお便りでも、卒業生へのメッセージでも、連絡帳の一言でも何でもよいのですが、

自分の書いた文章を読んだ人の生き方(大げさか…)がちょっとでも前向きになればこの上なくありがたいことだなと思うようになりました。

だから、文章を書く時は、できる限り
・「自分の心が動いたこと」を言葉にしたい。
・もし同じようなことを書いている人がいたとしても「自分の文脈」で説明したい。

ということを意識しています。

おそらく、人類が文章を書いてきた文化をさかのぼっていけば、私と同じような文章を書いている人はごまんといると思います。

でも私が「書きたいと思ったこと」は、私の生活の文脈の中でしか生まれないと思っているので、その文脈をしっかりと書きたいと思っています。

それは、休日に電車に乗っている時かもしれないし、帰りにコンビニで買った肉まんを食べている時かもしれないし、水族館でイルカのショーを見ている時なのかもしれないし…

どんな状況かはわかりませんが、急に自分の中で書きたいことが降りてくるので、どんな文脈でその考えが生まれたか、自分の言葉で説明していきたいなと思っています。



そして最後に「いつかこんな文章を書けたらいいな」と思っているのが、

5「思わず読んでしまいたくなる文章」
です。

私が尊敬する「ピタゴラスイッチ」等の人気番組を手掛ける佐藤雅彦氏(東京芸術大学名誉教授)の文章にものすごく魅力を感じます。

佐藤先生の文章は、全く説明的でないのに、読めば何か理解できてしてしまうような説得力があります。

「美術手帖」など雑誌のエッセイを読んでいてもセンスが桁違いだなと思います。

佐藤先生のセンスを言語化することは難しいですが、
・日常、誰でも経験していること、起こりえることを題材にしている所

・それを全く違う角度から切り込んでいる所

・読んでいる時の言葉の語感、リズムなどがよい所

・文章自体を読むものとしてではなく、記号や形、構造としてメタに捉えている所

おそらく佐藤先生が、文章を「読むもの」ではなく「感じるもの」としても表現されているからではないかなと勝手に分析しています。(全然違っていたらすみません。)

とにかく、佐藤先生の文章は、読んでいて「夢中」になってしまう面白さがあるなと思っています。



いま私のメモ帳や頭の中に、書きたいことや伝えたいことが、いろいろ散らかっているのですが、まだうまく形にできていません。

もっとわかりやすい文章を書きたい
もっと人にわかりやすい話をしたい
もっと速くいろんな本が読めるようになりたい


時間が足りないですし、もっと速く色々考えられるようになりたいです。

しかし何でも速くできればいいわけではなく、「自分が納得できるもの」を作っていきたいとも思っています。


冬休みになって、自分がこれからやるべきことがが見えてきました。

来年も地道に努力していきたいと思います。


年内また更新できそうであればnoteも更新していきたいと思います。

またどこかで記事を見かけたら、読んでいただけるとありがたいです。

今年もあと少しになりました。
みなさまも体調にお気をつけて、よい年末をお過ごしください。

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