『かげきしょうじょ‼︎』と『ライジング!』と『いっぱしの女』
昨日Twitterを眺めていたら、氷室冴子先生の昔のエッセイが新版で復刊される記事を読んだ。
『いっぱしの女』というそのエッセイは30年前に書かれたものだけれど、「フェミニズムエッセイ」と記事にある通り、そこで語られるのは女性であるがゆえに味わった悔しさや怒りなど、現代にも通じる問題で、氷室先生ならではの鋭い観察眼と軽やかな言葉でつづられている、と紹介されている。
私は思春期に氷室冴子先生の本とは出会ったけれども(コバルト世代)、残念ながらエッセイは読んだ事がなかった。氷室先生といえば『なんて素敵にジャパネスク』や『ライジング!』など、漫画になった作品や『海がきこえる』などアニメになった作品もあって当時は少女漫画や少女小説ファンでなくても名前くらいは知っていたことと思う。
その氷室先生が受けたセクシャルハラスメント(「ああいう小説は処女でないと書けないんでしょ」と言われたらしい)から始まるエッセイ……。是非読んでみたいと思ったので先ほど早速Amazonでポチった。多分そのうち来るので、また読んだら感想を書くか喋ると思う。
『ライジング!』の原作者である氷室先生は当然宝塚ファンだ。
『ライジング!』は宝塚歌劇団をモデルとした架空の少女歌劇団「宮苑歌劇団」を舞台にアメリカ育ちの主人公が、どういう学校なのかよく知らないでそこを受験、合格し、やがてスターへの道を歩き出す……という話だ。
そこには、女の子が沢山出てきて、なおかつカッコイイ男役の女の子も出てくる。それは女の子の理想の男子、なのだと思う。生物学上女子が演ずる男子。優しく紳士的で力強いキラキラした男子。
私も30年位前、高校時代の仲良し6人組で関西方面を旅行した時、行きたい子だけ宝塚を観に行くという事で半日だけ2グループに別れて行動したのだが、その時私は宝塚の方を観に行った。私は「にわか」だったけど、宝塚歌劇はとても面白かった。素敵すぎてしばらくかぶれていた。
さて、先日音声配信でもちょっとだけご紹介した漫画『かげきしょうじょ‼︎』も少し設定が似ている。宝塚歌劇団を模したと思しき「紅華歌劇団」に主人公の渡辺さらさが入学するところからお話は始まる。テレビアニメでは、先日第三幕が放送され、今夜は第四幕が放送される。
あ、ここから少しネタバレします。未読、未視聴の方はご注意下さい。
第三幕は主人公さらさと相部屋の、奈良田愛ちゃんの過去のトラウマ話だった。奈良田愛ちゃんはとても可愛い。美少女だ。しかし、愛想がない。クールビューティーといえば聞こえはいいが、要するに人付き合いをしないのだ。
第三幕は、何故、彼女が人に心を開かなくなり、男性嫌いになったのか、何故、国民的アイドルグループを辞めて紅華歌劇団に入ったのかが分かるエピソードで、なかなかに辛いセクシャルハラスメントを、子供の頃、母親の恋人から受けたという話だった。これは……人によっては観るのが無理な内容かもしれない。奈良田愛ちゃんは、別に娘役のトップを取りたいとかは全然思っていない。やる気はあんまりないのだ。彼女がこの歌劇団に入った理由はただひとつ。全ては男のいない世界で暮らす為。
書いてて辛くなってきたが、多分第四幕で救われるはず。だから今夜は必ず観る。そして、氷室冴子先生のエッセイが届いたら必ずすぐに読む。
そうでなければ。
わざわざそれを書く意味がないのだから。
さて、もう寝ます。おやすみなさい。皆様も良い夢を。