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亜希子もいじめにあっていることに、 手をこまねいているわけではなかった。 だが担任の教師…
「どうしたの?アッキー。浮かない顔して」 米倉里美の声で、亜希子は我に帰った。 昼休みの…
バス停は帰宅途中の学生達で溢れそうだった。 通学路だけに20人ほどが入れる 屋根付きの…
亜希子の通う学校のすぐ裏手にある喫茶店アシンメトリー。 古びたマンションの一階にある、垢…
亜希子は、浅い眠りから目覚めた。 視界に飛び込んできたのは、見慣れた白い自室の天井だ。 …
缶コーラを一口飲むと、 亜希子はいくぶん落ち着きを取り戻した。 それでもまだ、涙のせいで…
雲ひとつない、つきぬけるような秋空の下、 校舎の屋上ではいくつかの生徒たちのグループが 昼食をとっている。 その中にフェンスによりかかっている宮島祐介と、 彼を取り囲むように立っている亜希子、里美、 真湖、祥子の姿があった。 「そうか・・・そんなメールが来てたのか」 亜希子は呪会から届いたメールを祐介に見せたのだ。 (To 亜希子さま おめでとうございます。 菅野好恵は削除されました。 今度はあなたの番です。 呪会より) それを見て、祐介は考え込
亜希子はバス停に降りると、自宅マンションに向かった。 歩いて5分ほどのいつもの帰り道なの…
放課後の教室には、生徒の数はまばらにしかいないかった。 ほとんどが学習塾か部活だ。 西に…
来島祥子と加原真湖は同じ学習塾に通っていた。 この日も講義を終え、同じバスに乗っていた。…
それは突然の訃報だった。 全校生徒が集められた体育館は 普段とは違う、異様な緊張感に包ま…
「お前の友達だったんだな。ガイ者・・・」 喫茶アシンメトリーの店内に、客は少なかった。 …
山村希一の葬儀は、しめやかに執り行われた。 斎場には喪服姿の人々が集まっている。 その中…
「風間さん、プロバイダーから 呪会の管理者が誰なのか報告がありました」 岸谷は1枚のプリントを、風間のデスクに置いた。 「この人物が管理者?間違いないんだな?」 風間は岸谷を、鋭い視線で見上げた。 捜査一課に詰めていた他の捜査員も、 そのプリントを覗き込みメモをとっている。 「この人物は、 村田先輩の甥っ子さんが通ってる・・・」 風間は正直絶句していた。 こんな偶然があるのだろうか? だが、これは同時に貴重な情報であり、証拠でもあった。 「よし、こ