「もう一つの書き初め」・・・自分の書きたいこと、自分の好きなスタイルで書く・・・これもありですよね?
現状:書き初め イコール 書き初めコンテスト・・・なのです
日本中の多くの小中学校では、年の初めの授業で、書き初めを行うことが多いかと思います。
多くの学校では、地区単位の書き初めコンクールへの参加と合わせて行っています。
ボクの所属している〇〇市でも、ボクが知る限りの過去からずっと同じパターンでやってきています。
(このスタイルを変えよう!と言っているわけではありません・・・単なる話題提供のレベルです)
・書く文字は、学年ごとに、地区の担当部会が決める。
・文字数は、学年によって異なる。
・小1,2年は硬筆(縦10文字×横4文字:B5サイズ)
4B以上(なるべく6B)で書くことが推奨される
・小3年以上は毛筆(八つ切りサイズ(17.5×67.5cm)縦書き 3文字以上 小学生は楷書体 中学生は行書体)
・お手本は地区の書道家に依頼し、地区(県を二分した大きな地区)で統一したものが用意され、お手本と書き方ガイド(その字を上手に書くためのコツが記されている) は、児童生徒が個人が教材費で購入する。
・清書の紙は、折らない。二度書きはしない。違反が見つかったら審査対象にはならない。
・お手本にそっくりに書くことが要求される。ただし紙を重ねての,写し書きや、なぞり用の印や線を入れることは厳禁
・冬休みに〇枚やって、〇枚提出という宿題提出が課せられるが、どんなに上手に書けていても、書き初め大会当日に書いた作品しか書き初めコンクールに提出できる対象にならない。(担任は子どもが当日の作品とすり替えないような配慮が求められる)
・入選対象の作品数は、各学年の人数によって,コンクール対象地区で厳密に決められる。
・書き初め大会当日、子どもが帰った後、学級担任が入賞候補作品を持ち寄り、学年、あるいは全校で入選作品を全教員(担当教員:習字の素人も含む)を決定する。
・お手本に忠実であることが基本・基準になる。
※ボクなんぞが、「この子のこの字好きだなあ・・・すごくがんばってかいていなあ・・・部屋に飾るとしたらこの子の字だなあ」と、100%主観的な感想を言っても、一笑に付されます・・・(^_^;)
・上位入賞作品を、学校とに持ち寄って、所属地区担当部会で審査し、地区単位でさらに上位を決定する。
・最終的な入選作品には、金、銀、銅(赤:努力賞)の札が付けられ、入選以外の全作品が、雲画紙に貼られ、学校内の所定の場所に展示される。
・・・・こんな感じです。
ルールがとても厳密で、児童生徒、教員は大きな緊張感&集中力が必要とされます。(負担というネガティブワードは使いたくないのですが、要するにそういうことです・・・お察しください)
うまい子たち(ほとんどが習字塾に行っている子)入賞常連組の子どもたちにとっては、金なのか銀なのか、はたまた校内で金であっても、市で、特選なのか秀逸なのか・・・特選であっても、一席なのか二席なのか・・・市で一席であっても、県のレベルでは・・・とプレッシャーがのしかかります。
先生たちにとっては、自分のクラスから何人入賞したか・・・が気になります。
習字塾の先生にとっては、自分の塾から何人・・・これはある意味、塾経営に関わる死活問題です。
不思議なことに、県のレベルの上位入賞作品を見ると、必ずしもお手本に忠実ではなくて結構 個性的 であったりもします。
以下、ずっと以前に、小学校3年生を担任したときの学級通信をもとにして、校内用に再編集し、さらにNote用に再々編集したものです。
★もう一つの書き初めについて
決められたお手本そっくりに書くことを目指すことは、習字技能を高める上で効果的な練習方法ですが、自分自身の書きたい文字を書いたり、時には絵を描いたりすることも是非体験させてほしいなあと思います。
「もう一つの書き初め」はボクの定番です。
( その他、「小筆で寿限無」小筆でたあ坊の菜根譚」も定番) です。
「もう一つの書き初め」にもどります。
低学年の場合は、その子の書きたい文字のお手本を作ってあげます。手書きで出来ればいいとは思いますが、ボクは「お手本作成ソフト」( ※エクセルで作った自作ソフト) を使います。あっという間にクラス全員の名前入りお手本が作れます。 ※VLOOKUP関数を使った簡易なものです。
高学年の場合は、お手本も作ってあげますが、自分の書きたい字形をイメージして自分で自分のお手本を作らせます。・・・遊び文字もOKであり、書写と絵画の融合とも言えます。
今回は自分の選んだ文字を使って、書き初めをしました。どうしてその文字にしたのかは、それぞれの思いがあります。・・・お手本作成ソフト(Excel)を使って全員分のお手本(半紙サイズ)を用意しました。
今回は、難しい字の子も多く、バランスを取りにくいので、お手本に半紙を重ね、文字の骨格を鉛筆で薄く筋入れ(なぞり線)をしてから、その線を手がかりにして、毛筆で書く練習法をしました。
清書もなぞり線を入れてもよいことにしましたが、多くの子は清書は、なぞり線を入れずに書いていました。
その子なりの思い、こだわりを尊重します。
子どもたちは本当に集中して取り組めました。「先生、すごく上手に書けた!」と目を輝かせる子がたくさんいました。
◆4時間目にもう一つの書き初めをやりました。ぼくは「蹴球」(しゅうきゅう)と書きました。たぶん、クラスの中で一番、画数が多いと思います。むずかしかったけど、がんばって書きました。自分では意外に上手に書けたと思います。(****)※****さんのその日の日記より
今回は、過去の実践を紹介しました。
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