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スタートアップを成長させるエコシステム①アクセラレーターについて

皆さんこんにちは、TechWasabiです。TechWasabiでは企業のイノベーション活動や、スタートアップと企業のコラボレーションを、シリコンバレーからサポートしています。noteでは、日々の活動で得る皆さんに有益な情報や、興味を持ってもらえそうなネタなどを書いていきます。
*お仕事の依頼を検討されている方や詳細を知りたいという方、お気軽にご連絡ください。
今日は度々名前が登場する、アクセラレーターについて書こうと思います。これまで、Alchemistや500 Startupsの記事を書きましたが、そもそもアクセラレーターとは誰?という方向けに記事を書いていきたいと思います。

アクセラレーターの仕組みとは

Startupを対象とした起業家支援や大手企業とのマッチング、支援しているスタートアップへの投資などのビジネスを行っている人たち。
優秀なスタートアップを集め、年に何度かピッチイベント(スタートアップのプレゼンの場所)を設け、大企業とのマッチングの場所を提供しています。ピッチイベントへ参加する大企業は、アクセラレーターの「コーポレートパートナー」として、パートナー費用を支払うことで、アクセラレーターが抱えているスタートアップにアクセスすることができる仕組みです。
スタートアップは、アクセラレーターのプログラムに合格すると、一定期間、アクセラレーターからメンターが付き、アドバイスをもらいながら、プロダクトを開発し、ピッチイベントに備えます。いわば、スタートアップ養成塾のようなイメージです。

どんなスタートアップがアクセラレータープログラムに参加しているのか

参加するスタートアップの多くが、シード・アーリーのスタートアップです。アクセラレーターは、これから大きく成長が見込める=ビジネスとして大きな価値が見込めるスタートアップに対してプログラムを提供しています。その中でもパートナーである大手企業が、組みたいと考えるStartupや、社会的・ビジネス的に大きな課題を解決すると見込めるStartupにたいてい、早期に投資することによるファイナンシャルリターンを目的にしていることが多いです。
GoogleやAirbnb, Dropboxなど、皆さんが普段身近で利用している企業も、最初はスタートアップとして、アクセラレータープログラムに参加し、卒業、成長していっています。

著名なアクセラレーター

世界には多くの著名アクセラレーターがいます。いくつか代表的なアクセラレーターを紹介します。

1, Y Combinator
Y Comnibinatorは、トップティアと呼ばれる、アクセラレーターの中で最も著名で実績を残しているアクセラレータープログラム。年間何千ものスタートアップが、プログラムに参加するために応募をしています。
Airbnbなど数多くの著名スタートアップを輩出しているトップアクセラレーター。

2, Alchemist
シリコンバレーのトップアクセラレーターのうちの一社。エンタープライズを中心としたスタートアップを集めプログラムを開催している。
日本企業パートナーも増え、NECのR&D機関であるNEC Xが、新技術強化を目的とした提携も行っています。
出典: https://japan.zdnet.com/article/35170886/

3, Plug and Play
シリコンバレーの老舗アクセラレーター。複数のVertical(業界)フォーカスしたプログラムを運営しています。Google, Paypal, Dropboxなどがシードの頃に、プログラムに参加し、Plug and Playからそれらの企業に投資をしていたことでも有名です。
日本企業パートナーは非常に多く、多くの日系企業がシリコンバレーのPlug and Playのプログラムに参加しています。

4, 500 Startups
グローバルに活動をしている著名アクセラレーター。数多くのスタートアップに投資をし、70カ国以上のスタートアップに対して投資を実行している。

アクセラレーターはスタートアップエコシステムの中の登竜門

以上のことをまとめると、アクセラレーターはスタートアップにとって、サービスを拡大するための登竜門の一つとして位置づけられるでしょう。
シリコンバレーでは、VC、アクセラレーター、コーポレート、メディアなどがそれぞれ役割を担って新しい技術・サービスを生み出すためのエコシステムが形成されています。
エコシステムの入り口としてアクセラレーターが果たす役割は大きく、スタートアップは、成長過程の初期に援助を受けることで、サービスを拡大していくことができています。

まとめ

スタートアップにとって、経験は、自社のサービスに大きく影響を及ぼします。どのアクセラレーターに合格し、どのようなパートナーと会話をしたかなどはサービス拡大や本当に必要とされるサービスを作る上でも非常に重要なことです。そういった意味で、世界中の大手企業やメンターと会える、アクセラレータープログラムは非常に大きな価値があると思っています。オープンイノベーションを目的とする大手企業は、ただスタートアップを見つけに行ったり、表面上のプロダクトだけを評価するのではなく、スタートアップが成長する過程を踏まえて評価することで、協業パートナーや投資実行する上での具体的で正確な判断につなげることができるのではないでしょうか。
一方で、アクセラレーターとVCの境目は実は非常に曖昧で、CrunchbaseなどではアクセラレーターはEarly Stage Ventureなどに位置づけられ、そのVCカテゴリのうちの業態として、アクセラレーターとして分けられています。
私個人としては、アクセラレーターは役割として必要であるものの、新たなバリューを出して変わっていかなければならないタイミングなのではないかと思っています。昨今のスタートアップ投資は、シードでも大きな額が動くことや数多くのVCがいることから、シードでもまとまった額の投資を受けることも珍しくありません。
アクセラレーターのように少額出資し、人と出会える場は重要ですが、アクセラレーターではないVCも、同様の価値をポートフォリオ企業に提供することができます。アクセラレーターは今後さらなるバリューを提供するために、モデルを変化させていくのではないかと思います。

今後、エコシステムを形成しているVCやメディアなどについても機会を見て書いていこうと思います。

でわ。


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