13年間曲が作れなかった独学DTMerが曲を完成させるまでの歩みを語ってみた(自己対話編)
前回は、挫折にをきっかけに、そこから自分を見つめ直し、好きを大切にする方向に人生観が変わり始めたことについてお話しました。
今回は「自己対話編」となります。
自己対話に時間を費やす日々
前述したように、副業での挫折をきっかけに、自分の本心に蓋をし我慢してしまう癖を持っていたことに気づいた僕は、「本当に好きなこと」はなんだろうか、と自問自答を行うようになります。
その中で、読書が好きであること、そして音楽を作ることが好きであることを思い出します。
気になる本を借りてきては読むという日々を続けました。
読書をしていて、面白いと感じたのが心理学でした。
それは何故かというと、心理学を知るうち、なぜ今までの人生が不安で苦しいものであったのか、の答えが見えてきたからです。
それまで心理学といえば、心理トリックを使いこなして心を操るものだという、偏ったイメージしかなかったのですが、「人を知るためにはまず自分を知らなければならない」ということが示されていました。
そして、今まで良いことと思い込んでいた、「人に合わせるために我慢することが大事」、「人に貢献することが価値」、という、一般社会では当たり前とされている常識が、必ずしも自分を幸せにして来なかった、という事実に気づくようになります。
また、よりよく生きるためには、”自分の理解:セルフナレッジ”が必要ということにも気づくようになります。
僕は、自分は何が好きで、何に向いているのか、何をしているときが心地よいのか、自分がどんな気質なのか、ということに今まで無頓着でした。
その自分への無理解によって、合わない副業を選び、結果を出すことができず、数年を棒に振りました。
こうやって、日常的に自己と向き合ううち、今までの頑なな心の鎧が剥がれ、気持ちが楽になっていきました。
思うに、ここで自分の理解を徐々に深めたことは、今でも本当に財産になっていると感じています。
音楽制作の再開
そして、自分が何が好きなのかの自問自答を繰り返す中でたどり着いたのが、「音楽を作りたい」という欲求でした。
そのことに気づいたきっかけは、パソコンとスマホのデータを整理していたときのことです。
僕のPCやスマホの中には、途中まで作っては投げ出した曲の断片が100以上、保存されていました。
それらを再生した時、そういえば、こうやって曲を作っていたけど、いままで一曲も作り上げたことがなかったなあ、ということに気づきます。
何曲か再生するうち、作っているときは分からなかったけれど、結構良いメロディもあるじゃないか、と思うようになります。
それらのメロディが、曲として完成せず、パソコンの中に保存され、誰にも聞いてもらえないている状態、に目を向けた時、なんだか、変な言い方ですが、可哀想に思えてきたんですね。
その結果「これらのメロディをちゃんと曲にして世の中に出さないと申し訳ない」「再び生まれさせたい」と思うようになります。
それが、今までの自分を受け入れ、これからの自分が変わっていくことの節目になるんじゃないか、という思いが芽生えました。
埋もれたままのメロディを自分に重ねていたのかもしれません。
それが、僕が作曲に再挑戦し、曲を完成させる、という決意をしたきっかけとなったのでした。
次回が完結編です。↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?