現代の読み方(表記)で読みやすく書くと、
祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり、
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。
沙羅双樹は、「さらそうじゅ」とも読むが、ここでは「しゃらそうじゅ」と読もう。古典は、学校にいたときに、使っている教科書により、いろんな読み方で習っている人がいるが、とりあえず統一しておく。
そして、これを何度も声に出して読む。ゆっくり読むのではなく、リズムをつけてスイスイと読んでいく。ちょっとまちがえてもいいので、スラスラ声に出す。歌を覚えるのと一緒。だから、歌の歌詞が覚えられる人なら、こんな日本語すぐに暗記してしまう。昔の言葉だけど日本語。英語を覚えるのより簡単だ。繰り返し繰り返し声に出して言う。
「平家物語」冒頭の現代語訳は、
権力をほしいままにした平家が、源氏に滅ぼされてしまう、源氏と平家の戦いを描いた「平家物語」の冒頭文が、こういう言葉で始まっている。
「平家物語」は作者不詳だが、目の見えない琵琶法師が、琵琶を弾きながら語ったもの。仏教の教えを説くという目的があるので、こういう出だしになっている。
ちなみに、小泉八雲の「耳無芳一」は、「平家物語」を語るのがうまい琵琶法師だった芳一が、平家の亡霊に呼ばれるという話。琵琶法師は「平家物語」を語りながら仏教の布教をしていた。
さあ、最後にもう一度声を出して暗記してみよう。
何度も繰り返すことが完全暗記のコツ。
明日も、もう一度声に出して言ってみよう。
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