仙人草、センニンソウの白い花と白いヒゲ
都々逸
白い髯ある仙人さえも白い太股見て疼く
年をとっても前行く人のお尻見ながらフーラフラ
好きなあなたを好き好きすぎて思い宇宙の果てまでも
白いヒゲあるセンニンソウが共に白髪を見て笑う
センニンソウは、キンポウゲ科のつる性の多年草。つるはぐんぐん伸びて、高い木の下の方にはなんにもないのに、木の上の方で白い花を咲かせていることもある。
花が終わって種になると、それが白いヒゲのように見え、そこから仙人をイメージしてセンニンソウ、仙人草という名になったそうだ。
ちなみに有毒植物で、汁や花粉に触れると炎症を起こすそうだ。センニンソウの別名はウマクワズ、馬喰わずという。毒があるので馬も食わないという意味。
私も触ったことはないな。花も種もながめて楽しむだけだから。
見るだけでいろんな思いを感じる野の花たち。
自作解説(都々逸)
センニンソウといえば仙人。仙人といえば亀仙人のモデルとも考えられる久米仙人が思い浮かぶ。
久米仙人は、空を飛ぶ術を会得し飛んでいると、下界にいる女の太股を見て、「うおおおおっ」と思って術が使えなくなって、空から落ちてしまったと伝えられる。昔の女性は腰巻きをしているが、腰巻きの下はすっぽんぽん。そんな景色が見えたら、久米仙人じゃなくても「うおおっ」と思ってしまう。
スケベな私も、街行く女の人のお尻ばかり見ている。
久米仙人は、仙術が使えなくなって、自分をくらくらさせた女の人と結婚したそうな。好きな人のためなら、この世の全てを捨てることもできる。そんなことを思った時代もある。
そうして共に白髪まで一緒にいる夫婦だが、それが本当に自分が望んでいたことだったのだろうか。久米仙人の「夢」は仙人になることだったが、後の「結婚」と「仙人」とは、どちらが本当によかったのだろうか。