白い花の咲く季節
オレンジのオニユリが終わり、白いタカサゴユリが花開いている。
新緑の中で白い色がよく目立つ。
タカサゴユリは、一輪だけ咲いているものもあれば、一つの茎にたくさんの花をつけているものもある。球根が年を経ると、たくさんの花をつけるようになるようだ。
一つであろうが、たくさんであろうが、それぞれ趣がある。
夏の白い花といえばタカサゴユリやテッポウユリだけではない。ナツフジも可憐な白い花を咲かせていた。
他に白い花はないかと考えると、そうだ、毎年夏になると、白いカラスウリの花を見に行っていた。
カラスウリの花は、太陽が昇るとしおれてしまうので、日が昇る前に見に行かなければならない。家の近くの2ヶ所でカラスウリが咲いている場所があったのだが、今年はカラスウリがない。細々と命をつないでいたカラスウリが今年は姿を消している。
写真は以前撮ったものだ。
白い花ではないが、青いツユクサの花も今年は数を減らしているように感じる。去年までは群れになってツユクサの花が咲いていたのに。
どんどん野生の花が姿を消している。
他の白い野生の花はないかと思えば、おおっ、白いセンニンソウの花が咲いている。
センニンソウは、タネが仙人のヒゲのようになるので名付けられた。タネも綺麗だが、花も綺麗に咲いている。
その花も、今年は群落とはならず、1本の木からのびているだけで咲いている。それでも今年も命を長らえていた。
植物の生命力はものすごい。
来年は、土の中にもぐっているカラスウリのタネも芽を出してくれないかな。
夏にはカラフルな花もいいけど、他の色に染まらない白い花が好きだ。
映画のランキング1位になっている「ワンピース」はREDだが(ONE PIECE FILM RED)、マンガの本編ではミンク属が満月の光を浴びると白い姿になるし、主人公のルフィもギア5は白い姿になる。
映画はREDでも、白が物語を広げる。時代は「白」だ。
時代は「新時代」を求めている。
日本では昔から白は「神の色」とされていた。
白ヘビは神の使いだし、神が白いシカやイノシシに姿を変えてやってくるという話も伝わっている。白は特別の色だった。
絵の具の色を全部混ぜると黒くなるが、光の色を全部混ぜると白くなる。
黒い色は光を吸収するが、白い色は光を反射する。暑い夏は光を反射する白い服の季節だ。
花も暑さを(光を)さけるために白い花を咲かせているのだろう。
線状降水帯が多発して洪水の多い今年の日本。
雨が降って灰色の空に白い光が差すように、白い花が人々の暗い心を明るく照らしてほしい。
新時代の夜明けのように。