「ことわざかるた」を作ろう③ うゐのおくやまけふこえて
学校で道徳教育をするよりも、古来より伝わる人生の知恵、「ことわざ」を覚えよう。今の子に覚えてほしい「ことわざ」を使って新版「いろはがるた」を考える。市販の「ことわざかるた」もたくさん発売されているが、自分で子どもたちに覚えてほしいことわざを選びたい。ことわざの中から選ぶだけでかるたができ、道徳教育ができる。手作りだから、ことわざを変えることもすぐできる。絵札も子どもに考えさせたらいい。意味を教えながら一緒に考えられる。
あまり長い文をnoteに載せると、読む気がなくなるので(あくまでも個人の感想です)、いろは歌七五七五の七五で切っている。
手作りかるたも、全部作らなくても、途中までの作品でも、かるた遊びはできる。案外、数が少ないほうが楽しかったりする。
今回のことわざは「うゐのおくやまけふこえて」の七五の部分を考える。
う
嘘から出た真
ウソだったことが真実になる。
「瓢箪から駒」も、冗談が現実になること。ヒョウタンの中から駒=馬が出てくる。そんなのありえない。
良い意味で「○○する」と目標を立てさせる。それを実現して真にする。言葉は力を持っている。「俺は海賊王になる」と言葉に出せば実現することもある。実現すると思って、人は夢をみる。夢があるから努力する。
ゐ
鰯の頭も信心から
イワシの頭でさえも信仰すればありがたく思える。昔の節分にはイワシの頭を飾っていた。
盲信している人をバカにする部分があることわざだが、それだけではない。信じればそれが真実になる。「できる、できる」と思えば本当にできる。そういう良い意味でも使わせたい。
の
喉元過ぎれば熱さを忘れる
熱い熱いと思っていても、しばらくするとその熱さを忘れる。
人間は、ついつい忘れるもの。よし、がんばろうと思っても、「三日坊主」で終わってしまいがち。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という言葉をいつも心においておきたい。
お
負うた子に教えられて浅瀬を渡る
川は急に深くなっていることがある。自分ではわからないが、背負っている子どもからは全体がよく見えるので教えてもらう。そのように年下などから教えてもらうこと。
子どもたちが、さらに小さい子から教えられることは少ないかもわからないが、「他人の意見をしっかり聞こう」という意味で覚えさせたい。
く
口は災いのもと
不用意な言葉から災難を招くことがある。言葉はつつしまなければならない。
よけいな一言から大げんかになった例はたくさんあるだろう。言葉というものは大きな力を持っている。「死ね」という言葉は呪いの言葉となる。「人を呪わば穴二つ」。呪いの言葉をとなえれば、相手が死んで墓穴が一つできるが、その呪いは自分にも返ってきて、もう一つ自分の墓穴も掘ることになる。軽い気持ちでの言葉が死を招くこともある。よけいなことをすぐに言う人には、大変なことになるよ、その一言が大きな災いを招くよ、と伝えたい。
や
安物買いの銭失い
安いと思って買っても、結局はソンすることがある。
これも世の中に事例は山のようにあるだろう。安くて品質の悪いもの。逆に、値段はものすごく高いけれども、全然役に立たないものもある。
世の中には二面性があることを、ことあるごとに教え、世の中は○と×だけでは決まらないのだと伝えたい。
ま
負けるが勝ち
勝ちをゆずる方が結果的には勝つことになる。
勝ちは勝ち。でも、負けたからこそ得るものもある。世の中の二面性と同じように、同じものでも、見方によって勝ちにも負けにもなることがある。○と×だけで決まらないということを何度も伝えたい。
け
芸は身を助ける
困ったときに自分の芸が役に立つ。
「芸」とは、芸能だけではない。資格なども含まれる。手に職をもっていれば、何かのときに役に立つ。職業も、受験も、一つだけではない。別の道もある。そのための準備をしておきたい。
ふ
冬来たりなば春遠からじ
寒い冬が来るということは、その次に春がやってくるということ。春は遠くない。
「失敗は成功のもと」。失敗するから成功へのヒントも改善点も見つかる。目の前の事実だけではなく、その先を見つめる目を養わせたい。
ヒヤシンスの花や桜の花は、寒い冬の季節を経験しなければきれいな花を咲かすことができない。
「ことわざ」を考えていると、全然違う内容が、どこかでリンクしている。そんなことを結びつけるのは人間の脳細胞。
こ
転ばぬ先の杖
転ぶ前にツエを準備しておく。失敗する前に準備をする。
まあ、ときには後先考えずに突き進むことも必要なのだが、それでも、本当に何も考えずに行動するよりも、「転ばぬ先の杖」ということわざを頭の片隅におきながら、別の準備もしながら突き進む人になってほしい。
え
縁の下の力持ち
目立たないところで人のためにつくすこと。
「縁側」のある家も少なくなった。
学校のクラスや子どもたちの集団の中で、表には出ないけれど、陰でがんばっている人がいる。そういう人を見つけ、他の人にも紹介していきたい。
京都のかるたでは「え」が「縁の下の力持ち」だが、大阪のかるたでは「縁の下の力持ち」は「ゑ」に入っている。
て
出る杭は打たれる
目立つことをすると打たれてしまう。でしゃばってはダメだと教える。
みんなが同じになったら新しいものは生まれないので、でしゃばることも必要だ。みんなと違うことをしてこそ新しい発見がある。
今回はここまで。次回が最終回となる。