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「小1の壁」と学童保育

 この時期、小学校の入学説明会を平日の昼にやっているところが多いと思う。
 ちょっと古いNewsになるが、ABEMAで「小1の壁」をやっていた。子どもの「壁」ではなく、親にとっての「壁」。

保育園と何がどう違う? 親を悩ます“小1の壁”
 小学校入学に胸を膨らませる子どもたち。その一方で親たちにはある不安が。それが「小1の壁」。
 両親がフルに働いていて、学童があるとありがたい。学童がなければ仕事が出来ないという切実な思いがあるとの親の言葉。
 「小1の壁」とは、子どもの小学校入学を機に、育児・仕事の両立が難しくなるなどの社会的問題
 小学校は手続きの段階から平日になる。保育所・こども園では平日に親が呼ばれることがほぼないのに、小学校は平日昼間の授業参観、保護者会が当たり前。不便に感じることが多い。
 保育園は就労家庭への支援が前提だが、小学校は教育機関となる。そのため4人に1人がフルからパート勤務に働き方を変更している。

ABEMA NEWSより

 保護者のこんな言葉もある。

 放課後は学童保育に預けているが、長期休暇になるとお弁当を毎日作らなければならないので、朝の仕事が追加となる。
 兄弟で学童に入れようとしても、同じ学童に入れるかわからない。

ABEMA NEWS


 「学童」とは何か。
 学童保育の登録児童数は今年度139万人超えで過去最高。待機児童も1万人を越える厚生労働省)。


 学童は就労支援のためのもの。働いている親を援助するための施策だ。

児童福祉法第6条の3 第2項
 放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業をいう。


 学童は、親が昼間にいない家庭のためのもの。家に親がいる家庭は対象にしていない。また、「遊び」と「生活の場」を与えるためのもので、勉強を教える塾ではない。
 国の法律では「放課後児童クラブ」というのが正式の名称になる。

 神戸市の説明ではこう書いてある。

 学童保育(放課後児童クラブ)は、子育てと仕事の両立支援や、放課後における児童の健全育成を目的として、保護者が働いているなど、放課後大人の家族が家にいない小学生のために実施しています。


 テレビのコメンテーターはこう言っていた。

 保育園の国の予算は1~2兆円ぐらいあるが、学童は700~800億円くらい。学童の利用時間が多くなっているのに、予算がない。
 だから、延長するのはムリ。数を増やすのもムリ。待機児童を引き受けるのもムリ。

ABEMA NEWS


 神戸市の規定では、40人までの児童に対して、職員は2人。100人の児童に、職員は5人。この基準に加えて加配職員もいるが、原則はこれだけで子どもをみないといけない。
 子どももいろんな子がいる。1人が問題を起こせば、職員1人か2人は、その子につきっきりとなる。残った職員で他の子たち全員をみなければならない。
 これが各施設の現実だ。


 「小1の壁」とは、主に共働き家庭において子どもが小学校入学に際して直面する社会的な問題。
 保育園は就労家庭のためのものだが、小学校は教育機関なので、親の仕事の配慮はない。
 その壁をなんとかするための学童保育は、就労支援であって、勉強を教える機関ではない。


 「壁」があれば、その壁について調べ、壁を乗り越える、あるいは壁を壊すための声をあげなければならない。

 学童を利用している家庭、これから利用するであろう家庭は特に、学童の現実を知り、改善するための声をあげなければ、日本の教育は何も変わらない。
 消耗品としての1回だけのNewsで終わらせず、改善のための声をあげ続けよう。


タイトル画像は mitei narico さんの作品です。最近ちょっとはまっています。写真が切れてしまっているので、タイトル画像の下の名前をクリックして、もとの写真も見てください。

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