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今年を漢字一文字にたとえると

毎年、この時期になるとクライエントに問う。




今年一年を漢字に例えると、何になる?




カウンセリングへ来る人に多いのは…「変」「進」「迷」あたりだろうか。



それぞれの人生を表現されていて、とても興味深い。



いつだったか、「流」と答えた人がいる。その理由を尋ねると、「がむしゃらに生きてきたけれど、少し流されてみようかと思って」と教えてくれた。



私の2024年の漢字も、これに近い。




「導」




自らの選択の背後に、大いなる力が働いて、なるべくしてこうなった…と実感できる1年だった。


そう、私は「導」かれたのだ。




昨年秋、夫が「わたしも一緒に東京へ行こうかな」とつぶやいた。



北海道出身の彼が、暮らしたことのない東京で老後を送ることなどありえないと思っていた。



私は東京という街が大好きだし、来春迎えるであろう娘の大学進学と同時に母子二人の生活が始まるとうっすらと考えていたのだ。



それが夫の爆弾発言により、



どうせなら再入籍する?(!?)


現在の住まいを売却する?それとも貸す?


東京ではどこに住む?


何をして過ごす?



と次々と決断を迫られることになった。



一つずつ丁寧に答えを出しながら(いや、むしろ”ワクワク”により即断即決したものがほとんどか?)今に至る。




思い返すと、年明け早々に”憑きもの”が落ちたのをきっかけに、夫の「定年」に影響されたこともあって、私自身の価値観が大きく変化した。





そして



寮長・寮母となって日暮里にいる。



それでも、これまでの道はそれほどゆるやかではなく、幾度となく引き返そうと思った。


しかし、その都度…不思議なくらいに救いの手が差しのべられたのだ。



「まあるい」人間関係に囲まれた今、私にしかできない役割が、ここにはある。




「人生は自分の力で切り拓け」が家訓だった。



もちろん、そう生きてきた過去に後悔はない。


ただ、人生はそれだけでも…ない。


合理的に説明のつかない「何か」に導かれ、包まれることがあるのだ。





京都の清水寺によると、今年の日本は「金」であるようだ。


もう師走だから、来年のことを語っても鬼は笑うまい。



2025年の同じ頃、私はどの漢字をあれこれと考えているだろう…



「導」とともに、予想されるその字を、新しい手帳の最初のページに書き込もう。





2024年12月16日

残すところ、あと2週間のレシピを執務室で見ながら。


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神田裕子(心理/産業カウンセラー)
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