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言葉の蛇口〜必要ない場所の意味・役割

近所の子供たちが遊びに来てくれるから、
それはそれは賑やかで楽しいの。
小さい頃にお母さんたちと遊びに来ていた家だから、
親戚のおばちゃんかおばあちゃんみたいに思ってるんじゃないかしら。
小学生なんて、遊んでいる途中に、喉が渇いただの、お腹が空いただの
ちょっと休みたいなんて言って、友達を連れて来ることもある。
中学生になると忙しくなるから、そんなに頻繁には来ない。
寂しいなんて思わないねぇ。
ここに来ないって言うことは、自分の生活を楽しんでいるってことだろうから。
時々、学校の話しを聞かせてもらえるのは嬉しいわね。
楽しい話でも、愚痴だとか悩み事でも、話題は何だっていいわ。
わざわざここへ来てね、話しを聞かせてくれるってことが嬉しいの。
考えてみてよ。
中学生や高校生にとって、この家なんて遊びに来るところじゃないわ。
何も楽しいことがないんだから。
用事もないし、来る理由もない。
子供たちには必要のない場所なの。
でもそれって、子供たちが他に自分達の居場所を見つけたっていうことでしょ。
自分達にとって必要な場所をちゃんと持っているっていうことなんだから、
寂しいなんて思わない。
でもね、そんな必要のない場所を時々思い出して、遊びに来てくれるんだから、
この家がここにあることには何か意味があるのだろうと思う。
用事もないし、来る理由もない。
そういう場所も無駄ではないんじゃないかな。
普段は必要とされない場所の役割というものもあるんだろうね。
最近、そんな事を思わされているわ。


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