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アルファードが爆売れの理由

はじめに

現在アルファードは好調な売れ行きを示しており、アルファードは普通車新車販売台数5位となっている。

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特に2020年度はすべての時期にわたり、新型コロナウイルスの感染拡大により、世の中は混乱していた。そのなかで、支払い総額で500万円や600万円になるようなアルファードを、年間9万台以上販売したことは驚き以外の何者でもない。また、アルファードはミニバンの中では一番多く売れている。本稿では、その秘密を消費者行動の視点から検討したい。

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なぜこれほど売れているのか

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これは、Fishbeinの消費活動モデルである。上図の過程を経て消費者はモノを買う。まず、「その商品の購買への態度」である。今回のケースの場合、アルファードを欲しいと思う段階である。次に、「その商品購買についての主観的な社会規範」である。これは商品の購入の意思決定について否定的、マイナスに働く負の要素である。この2つがぶつかり合ってその商品の購買行動が決まる。

ここでまずは「その商品の購買への態度」について考えてみる。この中には大きく3つの要因がある。

商品の購買への態度

1つ目は車としての魅力である。アルファードは、トヨタのミニバンの中でもフラッグシップにあたるモデルであり、デザインや性能などありとあらゆる面で高いクオリティのミニバンに仕上がっています。高級ミニバンというコンセプトで登場したのがアルファードである。スタイルとしては大型ミニバンだが、高級感を前面に押し出すことによって他のモデルとの差別化を図った。初代から現行モデルまで受け継がれているアルファードの伝統として、非常に質感の高い内外装が挙げることができる。高級ミニバンとして発売されたこともあり、徹底して高級感にこだわってデザインされている。外観からしてしっかりと「高級車」としての風格を感じることができる。

内装においては最大のポイントとなるシートは複数パターンが用意されているが、特に注目なのが7人乗りモデルの2列目で採用されている、左右が独立したキャプテンシートである。ベンチシートとは違い、1人分の座席が独立しているため広いだけでなく体がしっかりとフィットし、着座姿勢がとても安定する。足元もとても広いのでまるで飛行機のファーストクラスのようにゆったりと過ごすことができる。現行にあたる3代目モデルでは、デザインを一新することによってさらに迫力のあるデザインに生まれ変わっている。特にフロントフェイスは非常に力強いデザインとなっている。Lクラスミニバンなのでサイズの大きなモデルだが、実際の大きさ以上の迫力を感じる。もちろん、迫力があるだけでなく各所で直線と曲線をうまく使い分け、融合させることによるエレガントさも持ち合わせている。このように実用性と高級感が車としての魅力として挙げることができる。

2つ目は価格面での魅力である。トヨタには1番価格が高いアルファードを筆頭にミニバンが種類豊富に取り揃えられている。ではなぜ1番高いアルファードを買うのか。それはアルファードにローンで比較すると、アルファードより1ランク低いノアとアルファードの実質支払い額の差がかなり近くなるからである。実際ほぼ同じオプションを装着させて、トヨタのウェブサイトで試算してみると、まずノアはおすすめとなる、Si W×B 7人乗り(車両本体価格294万300円)で試算すると、現金での支払総額は371万6620円となった。

一方アルファードは、S タイプゴールド 7人乗り(車両本体価格424万4000円)で試算すると、現金支払い総額は501万8613円となった。現金支払い総額ではアルファードのほうが約130万円高くなっている。これらをもとに、ともに50万円の頭金を入れて、ボーナス払い10万円として5年払いでのローンの試算を行った。ノアは初回3万4230円、月々3万円×49回、最終回支払い額88万2090円となった。一方のアルファードは初回4万29円、月々3万9800円×49回、最終回支払い額190万8000円となった。初回払いでは約6000円、月々では1万円多く払うとアルファードに乗ることができるのである。また残価設定ローンを組むと、今販売店では5年後の残価率は50-60パーセントとなっている。この五年後残価率が50ー60パーセントというのは、とても高い。この残価率によって場合によっては月々の支払額がアルファードより1ランク低いノアとほぼ同じになるというデータもあり、このリセールバリューの高さがアルファードが価格面での魅力となっている。

3つ目はブランド力としての魅力である。特に現行型のアルファードは、従来にはない新しい高級車の概念を想像することを目指し、「大空間高級サルーン」をキーワードとして開発した。高級セダンに引けを取らない、上質な乗り心地や優れた操縦安定性といった高い安定性といった高い基本性能と、ゆとりに満ちた大空間を有する車としてゆるぎない存在感を示す。また現行型のアルファードの新TV-CMについて「大空間高級サルーン」として高級感・満足感・誇りを提供し、お客様にもう一度高級車への憧れを感じていただきたい、という想いを込め、新広告のキャッチコピーは「高級車をヒーローに。」とし、昔「いつかはクラウンに」と称しCMに使われてきたキャッチコピーをアルファードにも使い、アルファードの高級感を打ち出すブランド戦略を打ち出した。この結果個人客以外にも法人車両としても数多く使われるようになった。

以上3点より、消費者は「その商品の購買への態度」が大きくなっていった。

次に「その商品購買についての主観的な社会規範」について考えてみる。

商品購買についての主観的な社会規範

今回のケースの場合、価格の高さが1番ネックになっている部分である。特にミニバンを買う子育て世代はまだまだ子供にお金がかかるので価格が高すぎる車を買うことはできないと考えている人も多い。しかし前述した通り様々な買い方が用意されていたり、リセールバリューの高さから経済的にも買いやすくなっている。また、アルファードの入手性も「商品購買についての主観的な社会規範」でネックになる部分である。元々トヨタのディーラーは「トヨタ店」「トヨペット店」「トヨタカローラ店」「ネッツトヨタ店」の4系列に分かれていた。その中でアルファードを買うことができるのはトヨペット店だけで専売車種がそれぞれ決められていた。したがって、アルファードが欲しくても自宅付近にトヨタのディーラーがあっても、その店がトヨペット店でなければ遠方でもトヨペット店に行かなければならなかった。しかし2020年5月に全店で全車種が販売されるようになり、どこのトヨタのディーラーでもアルファードを買えるようになったことで入手性が向上した。
これによって、「商品購買についての主観的な社会規範」でネックになっている否定的な部分は解決された。

まとめ

このように「その商品の購買への態度」の欲しいと思う態度が「その商品購買についての主観的な社会規範」の商品の購入の意思決定について否定的、マイナスに働く負の要素を上回ったことによって、消費者から支持されている。実際データとしても、アルファードはミニバンの中では一番多く売れおり、支払い総額で500万円や600万円になるようなアルファードを年間9万台以上販売され、普通車新車販売台数5位となっている。

参考文献

https://cplusweb.com/resalevalue-minivan/
https://global.toyota/jp/detail/5712843
https://lh3.googleusercontent.com/proxy/dRCFKzd7fVUOrywKXT7LxboblJHqJ53ykNf5ZuBd5JLKt9QNPKyUIQl7kqRk2TezzkWqqlc13bo1XgAxnxOK5Tzm_1EFLRw4B73owRAGxoO5gjj2eAZHSTinE8x_iFc
https://bestcarweb.jp/news/260623
https://kurukura.jp/car/20210114-20.html
https://bestcarweb.jp/feature/column/278423
https://www.webcartop.jp/2020/08/569354/

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関西大学 羽藤雅彦/羽藤ゼミ
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