スーパーカップスイーツのヒット分析 (羽藤ゼミ4期生2年次)
流通科学大学羽藤ゼミ4期生の2年後期での研究成果についての発表です。3年次の社会連携と比較して、成長を感じていただければと思います。今回私たちカマンベールは、アイス業界では有名な株式会社明治が出している、明治エッセルスーパーカップスイーツについて詳しく分析しました。
注目の理由
明治エッセルスーパーカップスイーツは日経トレンディ(2018年)が発表した今年大ヒットした商品第17位にランクインしたからです。17と低く思えますが、実はアイスクリームとしてはこの明治エッセルスーパーカップスイーツしかランクインしておりません。また2018年のアイスランキングでは25位ですが、少しリッチなアイスとしてはシロクマなどの商品を抑えてのほぼ1位となっています。明治エッセルスーパーカップスイーツはそもそも2016年の12月に発売したのに2018年のヒット商品にランクインされていることに驚きました。では、なぜヒット商品の中でも唯一ランクインを果たすことができたのかを分析してみました。
明治エッセルスーパーカップスイーツの特徴
明治エッセルスーパーカップスイーツは「アイスなのにケーキのような味わい」が特徴です。ケーキのような味わいを出すべく4層構造になっていて、値段はスーパーカップバニラやMowなどよりも少し高めの設定となっています。アイスではなく少しスイーツを意識させるように作られております。普段のアイスより「少しリッチ」をイメージした商品となっています。
アイス市場について
スーパーカップスイーツが売れた理由には、近年のアイス市場が絡んでいると推測されます。近年、温暖化がますます悪化することもあり昨年は最高気温41度という猛暑日もありました。それに伴い、アイスの売り上げも右肩上がりの傾向を見せています。暑い日に冷たいアイスを食べたいという「生理的欲求」満たすべく消費者は主に夏にアイスを購入することが多いです。アイスは夏に売れて冬には売れないのが基本ですがスーパーカップスイーツは、次の表を見る限り冬にも少し売れていることがわかりました。
なぜ、冬に売れるのか
これは、2012年4月に日本アイスクリーム協会が調査したデータを基にした考察です。日本アイスクリーム協会の調査の結果として、人はアイスを食べたいと感じる最適温度は20度から30度だということがわかりました。そこで、寒い冬には室内を温かくするべく暖房をかけますがその温度は25度前後に設定されています。その為、室内にいるときに暖房をかけているとアイスを食べたいと思い購入するという原理が発生するのです。また、スーパーカップスイーツはちょっとリッチ感をだしているので、自分へのご褒美として買われる方などが多いことがわかりました。
SWOT分析
次はスーパーカップスイーツの特徴やアイス市場の傾向などを調べていき、SWOT分析でまとめてみました。機会と強みでは、明治スーパーカップというブランド力を活かし商品を開発、いち早く顧客に知ってもらうことができました。機会と弱みは、スーパーカップスイーツの特徴である「ちょっとリッチ」感を容器が紙カップなので出せていないのがあげられます。脅威と強みは、スーパーカップスイーツは量が多いので多く食べられる20代から30代の男女をターゲットとしたリッチな商品です。脅威と弱みは、ターゲットとしている20代から30代のニーズの変化に対応しきれていないことがわかりました。
ポジショニングマップ
ここで、ポジショニングマップを使いスーパーカップスイーツはどのような位置になるのかを見てみました。縦軸を値段と設定して横軸を量の多さで並べてみました。ブランド力を持っている、ハーゲンダッツは量が少なく値段も高いので左上段に位置しています。明治スーパーカップと似ている商品であるMowは、量は少し多いが値段は安いので中央より右下段に位置付けました。スーパーカップスイーツは、量は多いが値段が少し高く設定されているので、右上段に位置しています。
4P
最後に4Pで分析してみました。製品は、「ケーキのようなアイス」の明治スーパーカップスイーツ。価格は、コンビニやネットでの販売価格を基に定めた230円(税込)。流通は、主にコンビニやスーパー、アマゾンなどのネットショップでも購入が出来る。プロモーションは、若者をターゲットにしているので若い人を起用、なおかつ、30代の方もターゲットとして定めているので、アイドルの「乃木坂46」とのCMコラボをしている。
まとめ
以上の分析の結果から、明治スーパーカップ・スイーツはリッチ感や構造が特徴だけでなく、カテゴリーに捉われない新感覚アイスであることがわかりました。また、夏場はアイスとして活躍し、冬はスイーツとして売り出しているので、1年中売ることができるのです。そして、4層構造になっているので量が多くても飽きることがない。濃厚なクリームをケーキのようなアイスにすることで「ケーキのようなアイス」を作り出すことができヒット商品になったのではないかと私たちは結論づけました。
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